結婚や出産といったお祝いへのお返しとして贈る「内祝い」。
内祝いはいざ自分が贈る立場になると、「正しいマナーやどんな品物がいいのかわからない」と戸惑う方も少なくありません。
今回は内祝いの意味や基本マナー、おすすめの贈り物について解説します。

目次
内祝いとは
内祝いは本来、お返しではなく「幸せをおすそ分けする」という意味があるのをご存知でしょうか。
昔は結婚・出産など家族におめでたい出来事があったとき、身内やお世話になった人たちを宴席に招き、招待者から参加者へ贈り物をする習慣がありました。
嬉しいことをおすそわけする意味を込めた贈り物や宴席を「内祝い」と呼んだのです。
しかし現在では宴席を設けることが減り、意味が転じて「お祝いのお返し」として浸透しています。
内祝いを贈る場面
内祝いを贈る場面は様々です。
- 子どもの節句や七五三、入学・成人など成長の節目
- 結婚や出産、マイホームを新築したとき
- お店や会社などを開業したとき
- 還暦や米寿などの長寿を祝うとき
- 病気から回復したことを喜ぶ快気祝い など
基本的に「おめでとう」とお祝いをいただける場面では、すべて内祝いを贈る必要があると覚えておくと良いでしょう。
内祝いを贈る時期・タイミング
内祝いを贈るのは、お祝いの品を受け取った日から30日以内が目安と言われます。
ただし、出産や快気祝いでは体調が安定するまで時間がかかり、期限内に内祝いを手配するのが難しい場合もあるため、無理のない範囲で対応します。
内祝いを贈るのが30日よりも遅くなりそうな場合は、まず手紙や電話でお祝いに対するお礼を伝えましょう。
内祝いの基本的なマナー
内祝いは相手のお祝いに対してお返しをする贈り物ですが、相手に気持ち良く受け取ってもらうためにはいくつかの配慮が必要です。
以下では、覚えておきたい内祝いの基本マナーを紹介します。
内祝いの金額の目安
内祝いは、いただいたお祝いの3分の1から半分程度の金額のものを返すのが目安です。
1万円のお祝いなら、3,000円から5,000円程度が相場となります。
ただし、親戚や上司などから5万円・10万円といった高額のお祝いをいただいた場合、お返しも高額なものを選ぶと相手に気を遣わせてしまう可能性があります。
3分の1程度の金額で贈り物を選ぶか、お礼を兼ねて食事にお誘いするなども良いでしょう。

「のし」の種類
内祝いで使用する「のし」には、2つの種類があります。
・結び切り:一度きりであってほしいと願うお祝いごとに使う
主な場面:結婚、快気祝い

・蝶結び:何度繰り返しても良いお祝いごとに使う
主な場面:出産・子どもの成長のお祝い、長寿のお祝い、新築・開業祝い

結び切りや蝶結びは、使う場面を間違えるとせっかくのお祝いの場面で失礼な印象を与えかねません。
そうならないために、事前にしっかりチェックしておくと良いですね。
内祝いの渡し方
内祝いは相手を訪ねて渡すのが最善の方法です。
しかし、遠方に住んでいて訪ねるのが難しい場合は手紙を添えて発送しても構いません。
贈り物が突然届くと相手が驚くかもしれないため、事前に電話などで「先日いただいたお祝いのお返しを送りました」と伝えておくとスムーズに受け取ってもらえます。
内祝いには何を贈るべき?
年齢も性別も様々な人からお祝いをいただくと、内祝いには何を贈るべきか迷いますね。
ここでは内祝いにおすすめの品物と、贈らない方が良いものもあわせて紹介します。
お菓子などの食品・飲料

お菓子や飲料といった食品は、種類が豊富で幅広い年齢の人に贈ることができます。
相手の好きな食べ物がわかっている場合はその好みに合わせ、わからない場合は飲料や調味料などを選ぶのがおすすめです。
飲料ではコーヒーや紅茶もいいですが、中にはあまり飲まない人もいます。
日本茶であれば好き嫌いが少なく、多くの人に楽しんでもらえる可能性が高いでしょう。
お菓子とセットになったギフトであれば、より特別感を演出できます。

日用品

内祝いとして、日用品を贈るのも良い方法です。
料理をする人なら便利なキッチングッズ、女性ならハンドクリームや入浴剤、男性ならボールペンや革靴のお手入れセットなど、贈る相手の趣味や生活スタイルに合ったものを選ぶと喜ばれます。
目上の方や普段は遠方に住んでいてあまり交流がない人の場合は、タオルや洗剤などの好みが分かれにくいものにすると良いでしょう。
カタログギフト
相手の好きなものがわからない場合や、あまりかさばる贈り物をするのは気が引ける場合は、カタログギフトという方法もあります。
相手に好きなものを選んでもらえるメリットがあることに加えて、最近は紙のカタログではなくWEBで品物を選べるものも増え、オンラインですべて手続きが完結する手軽さも人気です。
内祝いで避けるべき品物は?
内祝いでは、以下のような品物は避けるべきとの意見もあります。
・包丁などの刃物:縁が切れることにつながる
・ハンカチ:別れを連想させる
・靴下などの衣類:生活に困っているイメージにつながる など
ただ、最近ではあまり気にしない人も増えています。
年配の親戚や目上の人に贈る際はこれらの品物を避けた方が無難ですが、地域の風習によってマナーが違うため、事前に周囲の人に「この贈り物はどんな印象がある?」と聞いてみるのもいいかもしれません。
まとめ
「幸せのおすそ分け」という考え方から生まれた、内祝いの風習。
お祝いのやりとりをきっかけに、相手との関係性を深められる日本ならではのコミュニケーション手段です。
今回紹介した内祝いのマナーを参考にして、ぜひお互いの絆が深まる贈り物を選んでくださいね。