
香ばしい香りが特徴で、日常的に親しまれているほうじ茶。
カフェインが少ないというイメージがありますが、全く含まれていないわけではありません。
ほうじ茶のカフェインは、コーヒーや緑茶と比較してどの程度の量なのでしょうか。
この記事では、ほうじ茶に含まれるカフェインの具体的な量や、他の飲み物との比較、1日の摂取目安量について解説します。
また、妊娠中や就寝前など、カフェインが気になる場面での飲み方のポイントも紹介します。
目次
ほうじ茶に含まれるカフェインの実際の量
ほうじ茶のカフェイン含有量は、一般的な抽出方法で100mlあたり約20mgです。
これは、ほうじ茶の原料である煎茶や番茶を焙煎する過程で、カフェインの一部が「昇華」という形で減少するためです。
茶葉に含まれるカフェインは高温で気化しやすい性質を持っており、200℃近い高温で焙煎されるほうじ茶は、その製造工程でカフェインの量が自然と少なくなります。
ただし、使用する茶葉の種類や淹れ方によってカフェインの抽出量は変動するため、この数値はあくまで目安となります。
カフェインがゼロではないことを理解した上で、適量を楽しみましょう。
【比較】コーヒーや緑茶とほうじ茶のカフェイン含有量
ほうじ茶のカフェイン含有量は、他の一般的な飲料と比較すると少ない部類に入ります。
例えば、ドリップコーヒーのカフェイン含有量は100mlあたり約60mg、紅茶は約30mgです。
一方で、ほうじ茶の原料でもある煎茶などの緑茶と比べると、含有量は100mlあたり約20mgと同程度になります。
同じ緑茶でも、玉露の場合は約160mgと非常に多くのカフェインを含んでいるため、一概に緑茶のカフェインが少ないとは言えません。
これらの数値から、ほうじ茶はコーヒーや紅茶に比べてカフェインの摂取を抑えたい場合に適した選択肢と言えるでしょう。
人気のほうじ茶ラテに含まれるカフェインは?
ほうじ茶ラテにも、原料であるほうじ茶由来のカフェインが含まれています。
そのカフェイン量は、使用するほうじ茶の濃さや量、牛乳や豆乳で割る比率によって変わるため一概には言えません。
一般的に、カフェなどで提供されるほうじ茶ラテは、ミルクと合わせても風味が負けないように、濃く抽出したほうじ茶やパウダー状の茶葉が使われることが多いです。
そのため、通常のほうじ茶を飲むよりも一杯あたりのカフェイン量が多くなる可能性が十分に考えられます。
市販の製品であればパッケージの成分表示を、カフェで注文する際はどのくらいの濃さであるかを確認すると良いでしょう。
ほうじ茶を飲んでも良い量の目安は1日に何杯まで?
健康な成人の場合、カフェインの1日あたりの最大摂取目安量は400mgとされています。
ほうじ茶のカフェイン量を1杯150mlあたり30mgと仮定すると、1日に13杯程度まで飲める計算になります。
しかし、これはあくまでほうじ茶のみからカフェインを摂取した場合の数値です。
実際には、コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレートなど、他の食品や飲料からもカフェインを摂取する機会は多くあります。
そのため、ほうじ茶を飲む際は、他の飲食物との組み合わせを考慮し、1日の総摂取量を意識することが重要です。
特定の食品からの摂取量だけでなく、全体でどのくらいの量を摂るかを管理しましょう。

こんな時は注意!ほうじ茶のカフェイン摂取で気をつけたい場面
ほうじ茶は比較的カフェインが少ない飲み物ですが、摂取に注意が必要な場面もあります。
特に、カフェインの影響を受けやすい妊娠中や授乳中の女性、そして身体が未発達な子どもが飲む場合には配慮が求められます。
また、カフェインには覚醒作用があるため、就寝前に飲むと睡眠に影響が出る可能性も否定できません。
ほうじ茶にはカフェインが全く含まれていないわけではないため、これらの状況では飲む量や時間帯を工夫する必要があります。
妊娠中や授乳中の女性が飲む場合の注意点
妊娠中や授乳中の場合、カフェインの摂取目安量は1日に200mgから300mg程度とされています。
ほうじ茶に換算すると、1日に5〜7杯程度が上限となりますが、これはあくまでほうじ茶単体での計算です。
他の飲食物からのカフェイン摂取も考慮すると、実際には1日に1〜2杯程度に留めておくのが安心です。
カフェインは胎盤を通じて胎児に移行したり、母乳に含まれたりすることが知られています。
過剰に摂取すると胎児の発育に影響を与えたり、赤ちゃんの寝つきが悪くなったりする可能性も指摘されています。
体調には個人差があるため、飲む量には気をつけ、心配な場合は医師に相談しましょう。
子どもにほうじ茶を与えるときに知っておきたいこと
ほうじ茶は苦味や渋みが少なく、カフェイン含有量も比較的少ないため、子ども向けの飲み物としても利用されます。しかし、カフェインが含まれている以上、与える時期や量には注意が必要です。
子どもへのカフェイン摂取開始時期について明確な基準はありませんが、専門家からは3歳までは摂取を控えるべきという意見や、2歳頃から少量を湯冷ましで薄めて飲ませることが推奨されています。子どもは大人に比べてカフェインの影響を受けやすいため、特に乳幼児期はカフェイン摂取を控えるのが望ましいとされています。カナダ保健省では、4~6歳の子どもの1日あたりのカフェイン摂取許容量を45mg未満と定めており、これはほうじ茶であれば1日約200mlに相当します。初めて与える際は、大人用に淹れたものを白湯で2倍以上に薄め、少量から様子を見るようにしましょう。カフェインは子どもの神経を興奮させ、寝つきを悪くする可能性もあるため、活動時間中に与え、就寝前の摂取は避けるのが賢明です。
寝る前にほうじ茶を飲むと眠れなくなる?
ほうじ茶に含まれるカフェインには覚醒作用があるため、就寝前に飲むと入眠を妨げたり、睡眠の質を低下させたりする可能性があります。
カフェインに対する感受性は個人差が非常に大きく、少量でも影響を受ける人もいれば、あまり影響を感じない人もいます。
影響が出始める量がどのくらいかは一概には言えませんが、一般的にカフェインの作用が続く時間は数時間とされています。
そのため、睡眠への影響を避けたいのであれば、就寝する3〜4時間前からはほうじ茶を含むカフェイン飲料の摂取を控えるのが望ましいでしょう。
リラックスのために温かい飲み物が欲しい場合は、カフェインを含まない飲料を選ぶことをお勧めします。
カフェインを気にせずほうじ茶を楽しみたい方へ
ほうじ茶の香ばしい味わいは好きだけれど、時間帯や体調によってカフェインの摂取が気になるという方もいるでしょう。
そのような場合でも、いくつかの工夫をすることで、カフェインを気にせずにほうじ茶を楽しむことが可能です。
例えば、お茶の淹れ方を変えるだけでカフェインの抽出量を抑えることができます。
また、最近ではカフェインをあらかじめ取り除いた製品も増えています。
さらに、ほうじ茶以外のノンカフェイン飲料に目を向けるのも良い方法です。
これらの選択肢を知っておくことで、ライフスタイルに合わせて柔軟にお茶の時間を楽しめます。
カフェインを減らすほうじ茶の淹れ方
ほうじ茶に含まれるカフェインの量を減らしたい場合、淹れ方を工夫するのが有効です。
カフェインは高温のお湯で長時間抽出すると多く溶け出す性質があります。
この性質を利用して、少しぬるめのお湯で淹れたり、抽出時間を短くしたりすることで、カフェインの量を抑えることが可能です。
特に効果的なのが水出しで、お湯で淹れる場合に比べてカフェインの抽出量を大幅に減らせます。
水出しほうじ茶は、カフェインが少ないだけでなく、苦みや渋みが抑えられ、まろやかですっきりとした味わいになるというメリットもあります。
就寝前や子どもに飲ませる際には、この方法を試してみると良いでしょう。

デカフェやカフェインレスのほうじ茶を選ぶのも一つの手
カフェインの摂取をより厳密に管理したい場合には、デカフェやカフェインレスと表示されたほうじ茶を選ぶ方法があります。
これらの製品は、特殊な製法によって茶葉からカフェインの大部分を除去したものです。
「カフェインレス」や「ノンカフェイン」と混同されやすいですが、デカフェは元々カフェインを含むものから取り除いたものを指し、微量のカフェインが残っている場合があります。
ほうじ茶ならではの香ばしい風味は維持されているため、味わいを楽しみながらカフェインを避けたい時に最適です。
特に妊娠中や授乳中の方、カフェインに敏感な方でも安心して飲むことができます。
ほうじ茶以外で楽しめるノンカフェイン飲料
カフェインを完全に避けたい場合は、ほうじ茶の代わりに、元からカフェインを含まないノンカフェイン飲料を選ぶのが最も確実な方法です。
ほうじ茶のような香ばしい風味を楽しみたいなら、麦茶やそば茶、黒豆茶などがおすすめです。
これらの穀物茶は、豊かな香りとすっきりとした後味が特徴で、食事にもよく合います。
また、リラックスしたい時には、ルイボスティーやカモミールなどのハーブティーも良い選択肢となります。
その日の気分や体調に合わせて様々なノンカフェイン飲料を試すことで、飲み物のバリエーションが広がり、より豊かなティータイムを過ごせます。
まとめ
ほうじ茶のカフェイン含有量は100mlあたり約20mgであり、コーヒーや紅茶と比較して少ないですが、完全にゼロではありません。
健康な成人が常識的な範囲で飲む分には過剰摂取の心配は少ないものの、他の食品や飲料からのカフェイン摂取も考慮して、1日の総量を管理することが求められます。
特に妊娠中や授乳中の女性、小さな子ども、また睡眠への影響が気になる場合は、飲む量や時間帯を調整する必要があります。
淹れ方を工夫してカフェインの抽出を抑えたり、市販のカフェインレス製品を選んだり、麦茶などのノンカフェイン飲料を取り入れたりすることで、状況に応じてほうじ茶やそれに代わるお茶を楽しむことが可能です。