コラム

紅茶の種類一覧|人気の茶葉の名前や美味しい飲み方、フレーバーまで解説

2025.9.25

紅茶の種類は非常に多く、「どの茶葉を選べばいいか教えてほしい」と感じる方もいるでしょう。
この記事では、人気のある紅茶の名前やそれぞれの茶葉の種類の違いを解説します。
紅茶の名前と特徴を覚えることで、産地ごとの個性や、美味しい飲み方、華やかなフレーバーまで、自分好みの紅茶を見つける手助けになります。

目次

まずは知っておきたい!紅茶の主な3つの分類

紅茶には数えきれないほどの種類がありますが、その分類方法の主なものとして3つの基本を知っておくと理解しやすくなります。
産地ごとに茶葉を分ける「ストレートティー」、複数の茶葉を組み合わせた「ブレンドティー」、そして香りを付けた「フレーバーティー」です。
それぞれの違いを知ることで、無数にある紅茶の中から自分の好みに合った一杯を見つけ出すことが可能になります。

【産地別】ストレートで楽しみたい代表的な紅茶の種類

ストレートで楽しむ紅茶は、その土地の気候や土壌が育んだ、茶葉本来の個性的な香りや味わいをダイレクトに感じられるのが魅力です。
産地と紅茶の名前が一致していることが多く、有名なメジャーな銘柄も豊富にあります。
世界三大銘茶をはじめ、インドやスリランカといった有名産地のお茶を中心に、代表的な種類とその特徴を紹介します。

世界三大銘茶それぞれの特徴と味わい

世界の紅茶の中でも特に知名度と人気が高いのが、「ダージリン」「ウバ」「キーマン」という世界三大銘茶です。
これらはそれぞれ産地が異なり、その土地ならではの個性的な特徴を持っています。
例えば、ダージリンはマスカットのような爽やかな香りが、ウバは独特の渋みとメントール系の香りが楽しめます。
キーマンはスモーキーで蘭に似た甘い香りが特徴です。
この3つの銘柄の味と特徴を知ることは、紅茶の奥深い世界への第一歩となり、それぞれの味の違いを楽しむことで、自分の好みの傾向を発見できるでしょう。

紅茶のシャンパンと称される「ダージリン」

インドの北東部、ヒマラヤ山麓のダージリン地方で生産される紅茶です。
「紅茶のシャンパン」とも称されるほどの、マスカットフレーバーと呼ばれるフルーティーで高貴な香りが最大の特徴です。
収穫時期によって「ファーストフラッシュ(春摘み)」「セカンドフラッシュ(夏摘み)」「オータムナル(秋摘み)」に分けられ、それぞれ香りや味わい、水色(すいしょく)と呼ばれる抽出した液体の色が異なります。
特にセカンドフラッシュは味と香りのバランスが良く、最高級品とされています。
まずはストレートで、その繊細な香りを楽しみたい紅茶です。

爽やかな香りと独特の渋みが魅力の「ウバ」

スリランカ南東部のハイグロウンエリアで生産される、セイロンティーを代表する銘柄の一つがウバです。
メントールや樟脳に似た「ウバフレーバー」と呼ばれる独特の爽快な香りと、キレのある力強い渋みが特徴です。
この香りはクオリティーシーズンである7月から9月にかけて収穫された茶葉に特に強く現れます。
水色は明るい紅色で、抽出したカップの縁に「ゴールデンリング」と呼ばれる金色の輪が見えることもあります。
その個性的な風味はストレートで楽しむのがおすすめですが、ミルクを加えると渋みが和らぎ、また違った味わいを発見できます。

蘭やバラに似た甘い香りが特徴の「キーマン」

中国の安徽省祁門県で生産される紅茶で、その独特な香りで世界三大銘茶の一つに数えられています。
蘭やバラといった花、あるいは熟した果実を思わせるような、甘くエキゾチックな香りが特徴です。
この香りは他の紅茶にはない個性であり、一部ではスモーキーな燻製香も感じられます。
渋みは控えめで口当たりが柔らかく、味わいはマイルドです。
水色はややオレンジがかった明るい赤色をしています。
その優雅な香りを楽しむためには、ぜひストレートで飲むことをおすすめします。
イギリス王室でも愛飲されていることで知られる、歴史ある紅茶の一つです。

インド産で有名な紅茶

インドは世界有数の紅茶生産国であり、ダージリン以外にも世界的に有名な紅茶を数多く産出しています。
その代表格が、インド北東部で生産されるアッサムです。
濃厚なコクと甘みが特徴で、ミルクティーに最適な茶葉として広く知られています。
また、南インドのニルギリ丘陵で生産されるニルギリも人気があり、クセのないすっきりとした味わいでストレートやアイスティーに向いています。
このように、同じインド産でも産地によって茶葉の個性は大きく異なります。
それぞれの特徴を理解し、飲み比べてみるのも紅茶の楽しみ方の一つです。

濃厚なコクと甘みでミルクティーに最適な「アッサム」

インド北東部のアッサム地方で生産される紅茶で、世界最大の紅茶産地としても知られています。
アッサムの最大の特徴は、濃厚で力強いコクと、麦芽を思わせるような芳醇な甘みです。
水色は濃い赤褐色で、その味わいはミルクとの相性が抜群に良いため、ミルクティーのベースとして最もポピュラーな茶葉の一つです。
特にCTC製法という、茶葉を細かく丸めたタイプのものは短時間で濃く抽出できるため、煮出して作るロイヤルミルクティーや、スパイスを加えるチャイにも最適です。
ストレートで飲むと、その力強い風味をしっかりと感じられます。

クセが少なく飲みやすい南インドの「ニルギリ」

南インドのニルギリ丘陵地帯で生産される紅茶で、「青い山」という意味の名前を持っています。
セイロンティーに似た特徴を持ち、穏やかな渋みとクセのないすっきりとした味わいが魅力です。
香りは柑橘系を思わせる爽やかさがあり、後味もクリーンで非常に飲みやすい紅茶として知られています。
水色は明るく澄んだオレンジ色です。
その飲みやすさから、ストレートティーはもちろん、レモンやミルク、スパイスなど何にでも合わせやすく、アレンジティーのベースとしても優秀です。
特にアイスティーにすると、クリームダウンが起きにくく、クリアな美しい色を保てます。

スリランカ産(セイロンティー)の主な紅茶

スリランカで生産される紅茶の総称をセイロンティーと呼び、日本でも市販の製品が多く流通しており、馴染み深い紅茶の一つです。
スリランカは産地の標高によって茶葉の個性が大きく異なり、「ハイグロウン(高地産)」「ミディアムグロウン(中地産)」「ローグロウン(低地産)」に大別されます。
高地産のウバやヌワラエリアはキレのある渋みと爽やかな香りが特徴で、中地産のディンブラはバランスの取れた味わい、低地産のルフナは濃厚なコクが楽しめます。
このように多様な個性を持つのがセイロンティーの魅力であり、産地ごとの違いを知るとさらに楽しめます。

バランスの取れた味わいで人気の「ディンブラ」

スリランカの中央山脈、西側に位置するディンブラ地方で生産される、セイロンティーを代表する銘柄です。
クオリティーシーズンは1月から2月頃で、この時期に収穫された茶葉は特に高く評価されます。
味わいは、心地よい渋み、適度なコク、そして華やかな香りのバランスが非常に良く、優等生的な紅茶として人気があります。
水色は鮮やかな紅色で、そのクセのない味わいは100人いれば100人が美味しいと感じると言われるほど、万人受けする飲みやすさが魅力です。
ストレートはもちろん、ミルクティーやレモンティー、アイスティーなど、どんな飲み方にも合うオールマイティーな紅茶です。

穏やかな渋みとほのかな甘さの「キャンディ」

スリランカで最初に紅茶栽培が始まったとされる歴史あるキャンディ地方で生産される紅茶です。
ミディアムグロウン(中地産)に分類され、セイロンティーの中では比較的穏やかでマイルドな味わいが特徴です。
渋みは控えめで、ほのかな甘みとコクを感じさせる優しく飲みやすい口当たりです。
香りも強すぎず、食事やお菓子など何にでも合わせやすいのが魅力です。
そのクセのない風味は紅茶を飲み慣れていない人にもおすすめです。
ストレートでも美味しくいただけますが、アレンジティーのベースとしても使いやすく様々な楽しみ方ができる紅茶です。

【ブレンド】複数の茶葉を組み合わせた紅茶の種類

ブレンドティーとは、産地や収穫時期の異なる複数の茶葉を組み合わせることで、安定した品質と独自の味わいを生み出した紅茶です。
季節による品質のばらつきをなくし、いつでも同じ味を提供するために発展しました。
特に紅茶文化が根付いているイギリスでは、各ブランドが独自のブレンドを開発しています。
代表的なものにイングリッシュブレックファーストなどがあり、特定の飲用シーンを想定して作られているのが特徴です。

イギリスの朝食の定番「イングリッシュブレックファースト」

その名の通り、イギリスの朝食に合わせて作られたブレンドティーの代表格です。
明確な定義はありませんが、一般的にはアッサムやセイロン、ケニアなどの力強い味わいの茶葉を複数ブレンドして作られます。
目覚めの一杯にふさわしい、しっかりとしたコクと豊かな香り、濃い水色が特徴です。
ミルクや砂糖との相性が非常に良く、トーストやベーコン、卵料理といったボリュームのある朝食メニューによく合います。
ミルクをたっぷり注いで、濃厚なミルクティーとして楽しむのが定番のスタイルです。
一日の始まりを告げる、力強くも頼もしい味わいの紅茶です。

午後のティータイムにぴったりの「アフタヌーンティー」

午後のティータイムに、ケーキやサンドイッチなどの軽食とともに楽しむためにブレンドされた紅茶です。
イングリッシュブレックファーストと同様に決まったレシピはなく、メーカーによって様々な茶葉が使われます。
一般的には、ダージリンやキーマンといった香りの良い茶葉と、セイロンなどのクセのない茶葉がブレンドされることが多いです。
味わいは、ブレックファーストティーよりも穏やかでマイルドなものが多く、繊細なスイーツの味を邪魔しないように作られています。
優雅な午後のひとときを演出する、軽やかで香り高い紅茶です。

【フレーバー】香り付けされた華やかな紅茶の種類

フレーバーティー(着香茶)について説明すると、これは紅茶の茶葉に果物や花、スパイス、香料などで香りを付けたものです。
ベースとなる茶葉には、クセのないセイロンティーや中国紅茶などがよく使われます。
茶葉本来の味わいに加えて、華やかで多彩な香りを楽しめるのが最大の魅力です。
アールグレイのように世界的に有名なものから、フルーツ系、フラワー系、スイーツ系まで様々な種類があり、気分やシーンに合わせて選ぶ楽しみがあります。

柑橘の爽やかな香りが広がる「アールグレイ」

フレーバーティーの中で最も有名で、世界中で愛されている紅茶の一つがアールグレイです。
その特徴は、ベルガモットという柑橘類の果皮から抽出した香料で香り付けされている点にあります。
爽やかでエキゾチックな柑橘系の香りが、紅茶の味わいを引き立てます。
ベースとなる茶葉に決まりはなく、メーカーによって中国紅茶やセイロンティーなどが使われ、それぞれ異なる個性を持ちます。
ホットで香りを楽しむのはもちろん、アイスティーにすると爽快感が一層際立ちます。
また、ミルクとの相性も良く、ベルガモットの香りがまろやかなミルクティーを演出します。

甘いりんごの香りが楽しめる「アップルティー」

紅茶にりんごの香りを付けた、人気のフレーバーティーです。
乾燥させたりんごの果肉や皮を茶葉に混ぜ込んだものや、香料で香り付けしたものが一般的です。
甘くフルーティーなりんごの香りが紅茶と調和し、リラックスしたいティータイムにぴったりです。
ホットで飲むと、りんごの甘い香りが立ち上り、心も体も温まります。
アイスティーにしても美味しく、すっきりとした味わいを楽しめます。
お好みでシナモンスティックを加えたり、はちみつで甘みを足したりするアレンジもおすすめです。
和菓子など、意外な組み合わせとも相性が良い場合があります。

デザート感覚で飲めるキャラメルやバニラのフレーバー

紅茶にキャラメルやバニラ、チョコレートといった甘い香りを付けたフレーバーティーは、まるでデザートを味わっているかのような満足感を得られます。
砂糖を入れなくても、その甘い香りが口いっぱいに広がり、ダイエット中など甘いものを控えたいときにもおすすめです。
ミルクを加えると、より一層コクが出てリッチな味わいになります。
クッキーやケーキなどのお菓子と一緒に楽しむのはもちろん、この紅茶自体がデザートの代わりにもなります。
甘く濃厚な香りは、特に寒い季節のティータイムを豊かに彩ってくれます。

茶葉の品質を見分ける「等級(グレード)」とは?

紅茶のパッケージで目にする「OP」や「BOP」といったアルファベットは、等級(グレード)と呼ばれるものです。
これは茶葉の品質の良し悪しを示すものではなく、製茶工程で分類された茶葉の形状や大きさを意味します。
等級によって抽出時間や味わいの出方が異なるため、その意味を知ることで、自分の好みに合った淹れ方を見つけるヒントになります。
茶葉の形によって最適な用途も変わってきます。

葉の形がそのまま残っている「オレンジペコー(OP)」

オレンジペコー、略してOPは、茶葉の芯芽とその下の若葉2枚までを手摘みし、揉捻して作られた、比較的大きなサイズの茶葉を指します。
葉の形がしっかりと残っているのが特徴で、リーフティーとして販売されているものに多く見られます。
茶葉が大きい分、お湯を注いでから成分が抽出されるまでに時間がかかりますが、その分ゆっくりと茶葉が開き、紅茶本来の繊細な香りや味わいをじっくりと楽しめます。
水色は薄めで、渋みも穏やかな傾向があります。
時間をかけて優雅に紅茶を楽しみたいときに適した等級です。

細かく砕かれた茶葉「ブロークン・オレンジペコー(BOP)」

ブロークン・オレンジペコー(BrokenOrangePekoe)、略してBOPは、オレンジペコーを製造する過程で細かく砕かれた茶葉を指します。
茶葉が細かいため、お湯に触れる表面積が広くなり、短時間で紅茶の成分をしっかりと抽出できるのが特徴です。
そのため、OPに比べて味も香りも強く、濃い水色になります。
しっかりとした味わいはミルクティーによく合うため、多くのミルクティー向きのブレンドでこの等級の茶葉が使用されています。
短時間で手軽に、しかし本格的な紅茶の味わいを楽しみたい場合に適しています。

ティーバッグによく使われる細かい茶葉「BOPF」「ダスト」

BOPよりもさらに細かく粉状に近い等級が「BOPF(ブロークン・オレンジペコー・ファニングス)」や「ダスト(D)」です。
ファニングスは「ふるいにかける」という意味で、BOPをふるいにかけた際に出るより細かい茶葉を指します。
ダストは最も細かい粉状の茶葉です。
これらの等級は茶葉が非常に細かいため抽出時間が極めて短く、すぐに濃い味わいと色が出ます。
この特性から手軽に淹れられるティーバッグの原料として広く利用されています。
短時間で効率よく紅茶の成分を抽出する必要があるティーバッグに最適な等級と言えます。

紅茶の種類に合わせた美味しい飲み方

紅茶は茶葉の種類によって個性があるため、その特徴に合わせた飲み方をすることで、魅力を最大限に引き出すことができます。
基本的には、沸かしたての新鮮な水を使うことが重要です。
その上で、茶葉の香りを楽しむストレートティー、コクを活かすミルクティー、爽やかさを加えるレモンティーなど、相性の良い飲み方を選ぶことがポイントになります。

茶葉本来の香りを楽しむなら「ストレートティー」

ストレートティーは、砂糖やミルクなどを何も加えず、紅茶そのものの味と香りを楽しむ飲み方です。
特に、ダージリンの「マスカットフレーバー」やウバの「ウバフレーバー」のように、香りに特徴のある茶葉や、ニルギリのようなクセがなくすっきりとした味わいの茶葉は、ストレートで飲むとその個性を存分に感じることができます。
茶葉の繊細な風味をダイレクトに味わえるため、紅茶初心者の方もまずはストレートで試してみることをおすすめします。
産地ごとの味の違いを比較するのも、ストレートティーならではの楽しみ方です。

濃厚な味わいの茶葉には「ミルクティー」

ミルクティーには、ミルクのコクに負けない力強い味わいを持つ茶葉が適しています。
代表的なのは、濃厚なコクと甘みを持つアッサムで、ミルクと合わせることでまろやかでリッチな味わいになります。
また、イングリッシュブレックファーストのようなブレンドティーも、ミルクを加えることを前提に作られているため相性が抜群です。
スリランカ産のウバやディンブラも、ミルクを加えると渋みが和らぎ、違った表情を見せます。
牛乳を先にカップに入れるか、後に入れるかでも風味が変わるため、好みのスタイルを見つけるのも楽しみの一つです。

爽やかな風味を加えたいときの「レモンティー」

紅茶にレモンの爽やかな香りと酸味を加えて楽しむレモンティーは、リフレッシュしたいときにぴったりの飲み方です。
ベースとなる紅茶は、レモンの風味を邪魔しない、クセが少なくマイルドなものが適しています。
セイロンティーのディンブラやキャンディ、ニルギリなどがおすすめです。
注意点として、紅茶のタンニンがレモンの酸に反応して紅茶が白く濁ったり、風味が落ちたりすることがあります。
これを防ぐためには、レモンの輪切りは飲む直前に加え、長く浸しすぎないようにするのがポイントです。
アイスティーにすると、より爽快感が楽しめます。

まとめ

紅茶の世界は、産地によって異なる個性を持つストレートティー、目的別に茶葉を組み合わせたブレンドティー、そして華やかな香りをまとったフレーバーティーと、非常に多彩です。
それぞれの茶葉には最適な飲み方があり、特徴を知ることで自分好みの一杯を見つけることができます。
もともとは緑茶と同じ「カメリア・シネンシス」という茶の木から作られているにもかかわらず、発酵という工程を経ることで、これほど多様な味と香りが生まれるのは興味深い点です。
この記事を参考に、まずは気になる種類の紅茶から試してみて、その奥深い魅力に触れてみてください。

戻る