コラム

お抹茶の点て方|自宅で簡単!ふわふわ泡を作るコツ

2025.10.30

お抹茶と聞くと、作法が難しそうだと感じるかもしれません。
しかし、自宅で楽しむ分には、いくつかの簡単なコツさえ押さえれば誰でも美味しい抹茶を点てられます。

この記事では、初心者向けに抹茶を点てるための基本的な手順から、お店で出てくるようなふわふわの泡を作るコツまでを分かりやすく解説します。
まずは気軽に一服、自宅で抹茶のある時間を楽しんでみませんか。

自宅で抹茶を点てる前に準備する道具と材料

自宅で抹茶を点てるために、特別な道具をすべて揃える必要はありません。
最低限必要なのは、抹茶、茶筅、抹茶碗の3つです。
茶杓や茶こしがあれば、より本格的に、そして美味しく点てられます。

材料の分量は、薄茶一杯あたり、抹茶が茶杓で2杯(約2g)、お湯が約70mlが目安となります。
まずはこの基本的な量で試してみて、自分の好みに合わせて濃さや量を調整していくのがおすすめです。

初心者でも簡単!抹茶の点て方を5つのステップで解説

抹茶を点てる一連の流れは、一見すると複雑に見えるかもしれませんが、一つ一つの工程は非常にシンプルです。
本格的な茶道の作法には細かい決まり事がありますが、まずは自宅で美味しく飲むための基本的な手順を覚えましょう。

ここでは、初心者でも迷うことなく美味しい抹茶を点てられるよう、5つのステップに分けてその手順を分かりやすく紹介します。
気軽に挑戦してみてください。

ステップ1:茶碗と茶筅をお湯で温める(茶筅通し)

まず、抹茶を点てる前に茶碗と茶筅をお湯で温めます。
この工程を「茶筅通し」と呼び、美味しい抹茶を点てるための重要な準備です。
茶碗に熱いお湯を3分の1ほど注ぎ、その中で茶筅の穂先を優しく回して温めます。

これにより、茶碗が温まり抹茶が冷めにくくなるだけでなく、乾燥した茶筅の穂先がしなやかになって弾力が増し、点てる際に折れにくくなる効果があります。
穂先が十分に柔らかくなったら、茶碗のお湯は一度捨て、乾いた布巾で茶碗の水気をしっかりと拭き取ります。

ステップ2:茶こしで抹茶をふるって茶碗に入れる

次に、抹茶を茶碗に入れます。
この時、ダマができないように茶こしを使って抹茶をふるうのがポイントです。
抹茶は静電気の影響で固まりやすく、そのままお湯を注ぐと溶け残ってしまい、口当たりが悪くなる原因になります。

茶杓がある場合は、山盛り2杯(約2g)を目安に茶こしに入れ、茶杓の先で優しく押し出すようにしてふるいながら茶碗に落とします。
茶こしがない場合でも、茶杓の先で抹茶の塊を丁寧にほぐすだけで、仕上がりが格段に良くなります。

ステップ3:少し冷ましたお湯を茶碗に注ぐ

抹茶を入れた茶碗に、お湯を注ぎます。
この時のお湯の温度と量が、抹茶の味を大きく左右します。
最適な温度は80℃前後で、沸騰したての熱湯を使うと抹茶の苦味や渋みが強く出てしまうため避けましょう。
沸騰したお湯を一度別の湯冷ましや器に移すことで、ちょうど良い温度に調整できます。

お湯の量は、一杯あたり60〜70mlが目安です。
抹茶の粉に直接当てるのではなく、茶碗の縁から静かに注ぎ入れると、抹茶が舞い上がらずスムーズに点て始められます。

ステップ4:手首のスナップを効かせて茶筅を振る

お湯を注いだら、いよいよ茶筅で抹茶を点てていきます。
茶筅は指先で軽くつまむように持ち、腕全体に力を入れるのではなく、手首のスナップを効かせて素早く前後に振るのがコツです。

茶碗の底を擦らないように注意しながら、アルファベットの「m」を描くようなイメージで茶筅を動かすと、空気が効率的に取り込まれてきめ細かい泡が立ちやすくなります。
初めはゆっくりと抹茶をお湯に溶かすように混ぜ、その後、速度を上げてリズミカルに振ってみてください。

ステップ5:「の」の字を書いて泡のキメを整える

全体的に泡が立ち、表面が覆われたら仕上げの工程に入ります。
これまで素早く動かしていた茶筅のスピードを落とし、大きな泡を消してキメを整えていきましょう。
茶筅をゆっくりと動かしながら、液面の粗い泡をなぞるようにして潰していきます。

最後に、ひらがなの「の」の字を書くように茶筅を動かし、泡の表面を均一にします。
そして、茶碗の中央で泡が少し盛り上がるように、そっと茶筅を垂直に引き上げれば、見た目にも美しい一服の完成です。

ふわふわの泡を作るための3つのコツ

抹茶の魅力の一つは、口当たりをまろやかにするクリーミーな泡です。
自宅で抹茶を点ててみたものの、なかなか泡が立たないと悩む人も少なくありません。

しかし、いくつかのコツを押さえるだけで、初心者でも驚くほど豊かでキメの細かい泡を作ることができます。
ここでは、ふわふわの泡を作るために特に意識したい3つのポイントを紹介します。
これらのコツを実践して、理想の一服を目指しましょう。

コツ1:点てる前に抹茶をふるってダマを防ぐ

美味しい泡を作るための最初の秘訣は、抹茶を点てる前に必ずふるうことです。
抹茶の粉は非常に粒子が細かいため、静電気などで固まりやすく、ダマになった状態ではお湯と均一に混ざりません。
ダマが残っていると、どれだけ茶筅を振っても滑らかな泡は立ちにくくなります。

茶こしを使って抹茶をふるうことで、ダマがなくなり、茶筅で混ぜたときにお湯と素早く馴染んで空気を効率的に取り込めるようになります。
このひと手間が、口当たりの良いクリーミーな泡立ちの基礎を築きます。

コツ2:お湯の温度は80℃を目安にする

泡立ちを良くするためには、お湯の温度管理も非常に重要です。
沸騰したての100℃近い熱湯では、抹茶の苦味や渋みが強く出てしまうだけでなく、泡が立ちにくく、たとえ泡が立ってもすぐに消えてしまいます。
逆に温度が低すぎても、抹茶の豊かな香りが十分に引き出されません。

泡立ちと風味のバランスが最も良いとされるのが、80℃前後のお湯です。
沸騰したお湯を一度別の器に移し替える「湯冷まし」を行うことで、手軽に適切な温度に調整できます。

コツ3:茶筅を素早く前後に動かすのがポイント

ふわふわの泡を作るためには、茶筅の動かし方が最も重要なポイントです。
円を描くようにかき混ぜるのではなく、手首のスナップを効かせて茶筅を前後に素早く動かします。
茶碗の底を擦らないように、液体の中で穂先をリズミカルに振ることで、空気を効率よく巻き込み、キメの細かい泡が生まれます。

肘や肩に力を入れすぎず、リラックスして行うのがコツです。
最初は難しいかもしれませんが、練習するうちに手首がしなやかに動くようになり、理想的な泡を立てられるようになります。

抹茶をもっと楽しむ!おすすめのいただき方

抹茶は伝統的な作法に則って点て、そのままいただくのが基本ですが、自宅で楽しむならもっと自由にアレンジを加えるのも一興です。
点てた抹茶に少し手を加えるだけで、全く新しい味わいを発見できます。

例えば、季節の和菓子と組み合わせることで、互いの風味を引き立て合う伝統的な楽しみ方ができます。
また、牛乳や豆乳で割れば、カフェで人気の抹茶ラテとしてカジュアルに味わうことも可能です。
ここでは、抹茶の楽しみ方をさらに広げるためのおすすめのいただき方を紹介します。

季節の和菓子と合わせて楽しむ

抹茶のほろ苦い味わいは、和菓子の優しい甘さと非常に良い相性を示します。
抹茶をいただく際に和菓子を添えるのは、互いの風味を引き立て合うための伝統的な組み合わせです。
例えば、春には桜餅の塩気と香りが抹茶の爽やかさを引き立て、夏には水羊羹の涼やかさが抹茶の味わいを一層すっきりとさせます。

秋には栗きんとんの濃厚な甘み、冬には椿餅の上品な甘さが、温かい抹茶と調和します。
季節の移ろいを感じさせる和菓子を選ぶことで、自宅での一服がより豊かで趣のある時間になります。

牛乳や豆乳で割って抹茶ラテにアレンジ

普段、カフェで抹茶ラテを飲む機会が多いなら、自宅で手作りしてみるのもおすすめです。
作り方は非常に簡単で、通常よりも少し濃いめに点てた抹茶を、温めた牛乳や豆乳に注ぐだけで完成します。
抹茶の量を増やしたり、お湯の量を減らしたりして濃さを調整するのがポイントです。

好みで砂糖やはちみつ、シロップなどを加えて甘さを調整できるのも自宅ならではの魅力です。
氷を入れたグラスに注げば、夏にぴったりのアイス抹茶ラテも手軽に楽しめます。

抹茶の味が変わる?点てる時に使いたい水の種類

抹茶の繊細な風味は、使用する水の種類によって大きく変化します。
抹茶の味わいを最大限に引き出すのに適しているのは、ミネラル分の少ない「軟水」です。
日本の水道水はほとんどが軟水なので、基本的にはそのままでも美味しく点てられます。

ただし、水道水に含まれるカルキ臭が気になる場合は、一度沸騰させるか、浄水器を通した水を使うと良いでしょう。
市販のミネラルウォーターを使用する場合は、硬度を確認し、軟水を選ぶのがおすすめです。
硬水はミネラルが抹茶の成分と反応し、本来の旨味や香りを損なう可能性があるため注意が必要です。

まとめ

自宅で抹茶を点てることは、決して難しいことではありません。
茶筅や抹茶碗などの基本的な道具を揃え、抹茶をふるう、お湯の温度を調整するといったいくつかの簡単なコツを押さえるだけで、初心者でも驚くほど美味しい一服が完成します。
まずはこの記事で紹介した手順に沿って、気軽に抹茶を点ててみてください。

自分で点てた抹茶の味わいは格別なものです。
さらに深く抹茶の世界を探求したくなったら、茶道教室などで本格的な作法を学んでみるのも、新たな楽しみ方につながるかもしれません。

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