
夕方になると足がパンパンになる、朝起きると顔がむくんでいるなど、多くの女性が悩む体のむくみ。
その原因の一つに、体の冷えが関係していることもあります。
この記事では、むくみ解消をサポートし、気になる冷えにもアプローチできるお茶の選び方を解説します。
毎日の生活に手軽に取り入れられるお茶で、余分な水分をすっきりとる習慣を始めましょう。
おすすめのお茶や効果的な飲み方も紹介するので、自分に合った一杯を見つける参考にしてください。
目次
そもそも、なぜ体はむくんでしまうのか?主な原因を解説
むくみは、皮膚の下にある細胞と細胞の間に、余分な水分が溜まってしまう状態を指します。
通常、体内の水分は血管やリンパ管を通じて循環し、バランスが保たれていますが、何らかの原因でそのバランスが崩れると、むくみとして現れます。
特に女性は、男性に比べて筋肉量が少なく、ホルモンバランスの変動も影響するため、むくみやすい傾向があります。
むくみの背景には、食生活や生活習慣が大きく関わっているケースが少なくありません。
塩分の多い食事による水分の滞り
人間の体は、体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きを持っています。
そのため、塩辛いものなど塩分を多く含む食事を摂ると、体はその濃度を薄めようとして水分を溜め込みます。
この働きが、むくみの直接的な原因となります。
外食やインスタント食品、加工食品は塩分が多くなりがちなので、頻繁に利用する方は注意が必要です。
余分な塩分と水分をスムーズに排出することが、むくみを防ぐ上で重要なポイントになります。
長時間同じ姿勢でいることによる血行不良
デスクワークや立ち仕事などで長時間同じ姿勢を続けていると、重力の影響で血液やリンパ液が下半身に滞りやすくなります。
特にふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、筋肉の収縮によって血液を心臓へ送り返すポンプの役割を担っています。
しかし、足を動かさない状態が続くとこのポンプ機能がうまく働かず、血行不良を引き起こします。
その結果、余分な水分が足に溜まり、夕方になると靴がきつく感じるようなむくみが生じやすくなります。
体の冷えが引き起こす代謝の低下
体の冷えは血行不良を招き、むくみの大きな原因となります。
体温が低いと血管が収縮し、血液の流れが悪化するため、心臓から遠い手足などの末端まで温かい血液が届きにくくなります。
血行が悪くなると、水分や老廃物の排出が滞り、細胞の間に水分が溜まりやすくなります。
また、冷えは基礎代謝の低下にもつながり、エネルギー消費効率が悪くなることで、さらにむくみやすい体質を助長する悪循環に陥ることもあります。
むくみ対策には体を温める意識が欠かせません。
女性に多いホルモンバランスの乱れ
女性の体は月経周期やライフステージによってホルモンバランスが大きく変動しそれがむくみの原因になることがあります。
特に排卵後から月経前にかけて分泌が増える黄体ホルモン(プロゲステロン)には体に水分を溜め込む働きがあります。
そのためこの時期はむくみやすさを感じる方が少なくありません。
また更年期における女性ホルモンの減少も自律神経の乱れを通じて血行不良を引き起こしむくみの一因となる場合があります。
むくみ解消に効果的なお茶を選ぶ3つのポイント
むくみ解消のためにお茶を選ぶ際は、どのような成分や効果に着目すればよいのでしょうか。
数あるお茶の中から自分に合ったものを見つけるために、知っておきたい3つのポイントを紹介します。
これらのポイントを意識することで、より効果的にむくみケアができます。
自分の体質やむくみの原因に合わせて、お茶選びの参考にしてみてください。
【ポイント1】余分な水分を排出するカリウムを豊富に含むお茶を選ぶ
塩分の摂りすぎによるむくみが気になる場合、カリウムを豊富に含むお茶がおすすめです。
カリウムは、体内でナトリウムとのバランスを取りながら、余分な塩分と水分を尿として排出するのを助ける働きがあります。
外食や濃い味付けの食事が続いた時などは、特に意識して摂取したいミネラルです。
お茶で手軽にカリウムを補給することで、体内の水分バランスを整え、すっきりとした状態を目指せます。
黒豆茶やとうもろこしのひげ茶などが、カリウムを多く含むお茶として知られています。

【ポイント2】利尿作用が期待できるカフェインが含まれるお茶を選ぶ
カフェインには、腎臓の血管を拡張させて血流量を増やし、尿の生成を促す利尿作用があります。
これにより、体内の余分な水分や老廃物の排出がスムーズになります。
緑茶やプーアル茶など、カフェインを含むお茶を飲むことで、一時的に尿の量が増え、むくみの緩和が期待できます。
ただし、カフェインの過剰摂取は、めまいや不眠などの不調を引き起こす可能性もあるため、適量を心がけることが重要です。
また、就寝前は避けるなど、飲む時間帯にも配慮すると良いでしょう。
【ポイント3】血行を促進する温め効果のあるお茶を選ぶ
体の冷えが原因でむくみやすい方は、体を温める効果のあるお茶を選ぶのが効果的です。
体を内側から温めることで血行が促進され、全身の血の巡りが良くなります。
血行が改善されると、滞っていた水分や老廃物がスムーズに流れ、排出されやすくなります。
また、基礎代謝の向上にもつながり、むくみにくい体づくりをサポートします。
特に、生姜を使ったジンジャーティーや、発酵させて作られるプーアル茶、ルイボスティーなどは、体を温める働きが期待できるため、冷えに悩む方におすすめです。
【カフェインあり】仕事中にもおすすめ!むくみに効くお茶4選
日中の仕事中や気分をリフレッシュしたい時には、カフェインが含まれるお茶が役立ちます。
カフェインの持つ利尿作用は、デスクワーク中に気になる足のむくみや、朝起きた時の顔のむくみ対策にも適しています。
ここでは、手軽に手に入りやすく、日常的に飲みやすいカフェイン入りのお茶を4種類紹介します。
それぞれの風味や特徴を知り、自分のお気に入りを見つけてみてください。
緑茶:カテキンも豊富で手軽に始められる
日本人にとって最も身近なお茶である緑茶には、むくみ対策に役立つカフェインとカリウムが含まれています。
カフェインの利尿作用で余分な水分の排出を促し、カリウムがナトリウムとのバランスを整えます。
また、緑茶の代表的な成分であるカテキンには強い抗酸化作用があり、健康や美容の面でもメリットが期待できるでしょう。
スーパーやコンビニなど、どこでも手軽に購入できるため、日々の習慣として取り入れやすい点が魅力です。
黒豆茶:香ばしい風味でポリフェノールも摂取できる
黒豆を焙煎して作られる黒豆茶は、香ばしい風味が特徴で、むくみケアに適した飲み物です。
黒豆には、余分なナトリウムの排出を助けるカリウムが豊富に含まれています。
また、黒皮に含まれるポリフェノールの一種、アントシアニンには血行を促進する働きがあり、冷えによるむくみの改善も期待できます。
大豆イソフラボンも含まれているため、女性の健やかな毎日をサポートする一杯としてもおすすめです。
プーアル茶:発酵茶ならではのスッキリとした味わい
中国茶の一種であるプーアル茶は、茶葉を微生物の力で発酵させて作られるお茶です。
この発酵過程で生まれる成分には、脂肪の吸収を抑えたり、燃焼を助けたりする働きがあると言われています。
カフェインによる利尿作用に加え、体を温めて血行を促進する効果も期待できるため、むくみと冷えの両方が気になる方におすすめです。
独特の風味がありますが、後味はすっきりとしており、脂っこい食事ともよく合います。
とうもろこしのひげ茶:ほんのり甘くノンカロリーで飲みやすい
とうもろこしのひげ茶は、その名の通り、とうもろこしのひげの部分を乾燥させて作られるお茶で、古くから韓国で親しまれています。
このひげの部分にはカリウムが非常に豊富に含まれており、高い利尿作用が期待できます。
そのため、体内の余分な塩分と水分を排出し、フェイスラインや足のむくみをすっきりさせるのに役立ちます。
ほんのりとした自然な甘みと香ばしさがあり、ノンカロリーなので、ダイエット中の方でも安心して楽しめます。
【ノンカフェイン】就寝前や妊娠中でも安心!むくみ対策におすすめのお茶3選
カフェインの覚醒作用が気になる方や、妊娠・授乳中でカフェインを控えている方でも、安心して飲めるノンカフェインのお茶があります。
体のリズムを整えたい就寝前や、リラックスしたい時に最適なノンカフェインティーは、体に優しくむくみケアをサポートします。
ここでは、寝る前にもぴったりの、むくみ対策におすすめのお茶を3種類紹介します。
ルイボスティー:ミネラルが豊富でリラックスタイムに最適
南アフリカ原産のルイボスティーは、ノンカフェインでミネラルが豊富な健康茶です。
特に、体内の水分バランスを整えるのに役立つカリウム、マグネシウムなどのミネラルを含んでいます。
また、血行を促進して体を温める作用も期待できるため、冷えからくるむくみにも効果的です。
リラックス作用もあるとされ、就寝前に温かいルイボスティーを飲むことで、心身が落ち着き、質の良い睡眠にも繋がります。
寝る前の水分補給として取り入れるのに最適な一杯です。
どくだみ茶:体の内側からキレイをサポートする健康茶
どくだみ茶は、古くから「十薬」とも呼ばれ、民間療法に用いられてきた健康茶です。
どくだみに含まれるクエルシトリンやイソクエルシトリンといったフラボノイド類には、利尿作用や血行促進作用があります。
これにより、体内の余分な水分や老廃物の排出をサポートし、むくみの改善に役立ちます。
また、デトックス効果も期待できるため、体の内側からすっきりしたい方におすすめです。
独特の風味がありますが、その分、健康への貢献度は高いと言えるでしょう。
ジンジャーティー(生姜湯):体を芯から温めて巡りを良くする
生姜は、体を温める食材として広く知られています。
生姜に含まれる辛味成分であるジンゲロールやショウガオールには、血行を促進し、体の深部から温める効果があります。
体温が上がることで代謝が活発になり、水分や老廃物の排出がスムーズになります。
特に、冷えが原因でむくみがちな方には、ジンジャーティーが非常に効果的です。
生の生姜をすりおろしてお湯に溶かしたり、乾燥ジンジャーパウダーを活用したりして、手軽に生活に取り入れることができます。

効果を最大化する!むくみを取るお茶の正しい飲み方
むくみ対策にお茶を取り入れるなら、その効果を最大限に引き出す飲み方を実践することが重要です。
せっかく選んだお茶も、飲み方次第で効果が半減してしまうこともあります。
ここでは、むくみを効率的にとるために知っておきたい、お茶の正しい飲み方のポイントを解説します。
少しの工夫で、日々のセルフケアがより効果的になります。
体を冷やさないよう常温か温かい状態で飲む
むくみの原因の一つである冷えを防ぐため、お茶は常温か温かい状態で飲むのが基本です。
冷たい飲み物は内臓を直接冷やし、胃腸の働きを低下させるだけでなく、全身の血行不良を招く可能性があります。
血行が悪くなると代謝が落ち、水分や老廃物が体に溜まりやすくなります。
お茶に含まれる有効成分の吸収を助け、体を内側から温めるためにも、温かいお茶を選びましょう。
特に夏場は冷たいものを摂りがちですが、意識して温かい飲み物を取り入れることが大切です。
一度に大量に飲まず、こまめに水分補給する
水分が不足すると体はかえって水分を溜め込もうとするため、適度な水分補給はむくみ予防に不可欠です。
しかし、一度に大量のお茶を飲むのは避けましょう。
体が一回で吸収できる水分量には限りがあり、超えた分はすぐに尿として排出されてしまいます。
これでは効果的に水分を体に巡らせることができません。
コップ1杯程度(150〜200ml)を目安に、1〜2時間おきなど、回数を分けてこまめに飲むのが最も効率的な水分補給方法です。
むくみを悪化させる可能性のある注意すべき飲み物
むくみ解消を目指すなら、体に良いお茶を飲むだけでなく、むくみを助長する飲み物を避けることも同じくらい重要です。
知らず知らずのうちに、むくみやすい体質を作っている飲み物を摂取しているかもしれません。
ここでは、むくみ対策中に特に注意したい飲み物の種類とその理由について解説します。
普段の飲み物を見直すきっかけにしてください。
糖分の多いジュースや清涼飲料水
糖分を多く含むジュースや清涼飲料水は、むくみの原因となり得ます。
糖分は水分を抱え込む性質があるため、過剰に摂取すると体内に余分な水分が溜まりやすくなります。
また、急激な血糖値の上昇は血管に負担をかけ、血行不良を招く一因にもなりかねません。
喉が渇いた時に甘い飲み物を選ぶ習慣がある場合は、無糖のお茶や水に切り替えることを検討しましょう。
果物100%ジュースも果糖が多く含まれるため、飲み過ぎには注意が必要です。
利尿作用の後に脱水を引き起こすアルコール類
アルコールには高い利尿作用がありますが、これはむくみ解消にはつながりません。
アルコールを摂取すると、抗利尿ホルモンの分泌が抑制され、必要以上に水分が尿として排出されてしまいます。
その結果、体は水分不足、つまり脱水状態に陥ります。
体が脱水状態になると、生命維持のために残った水分を溜め込もうと働くため、かえってむくみを引き起こすのです。
飲酒をする際は、アルコールと同量以上の水を一緒に飲むことで、脱水を防ぎ、むくみを軽減できます。
塩分を含むスープやスポーツドリンクの過剰摂取
味噌汁やインスタントスープ、さらには健康的に見えるスポーツドリンクにも、予想以上に多くの塩分が含まれていることがあります。
塩分は体内に水分を保持する働きがあるため、これらの飲み物を過剰に摂取すると、むくみの原因となります。
特に、大量に汗をかいたわけでもないのに日常的にスポーツドリンクを飲むのは、塩分と糖分の摂りすぎにつながる可能性があります。
水分補給の基本は水やお茶とし、これらの飲み物は状況に応じて適量を摂るようにしましょう。
お茶と合わせて実践したい!むくみ解消をサポートする生活習慣
お茶を飲む習慣はむくみ対策の有効な手段ですが、より根本的な改善を目指すなら、生活習慣全体を見直すことが不可欠です。
食事や運動、入浴など、日常生活の中のちょっとした工夫がお茶の効果を高め、むくみ解消を力強くサポートします。
ここでは、お茶と並行して今日からすぐに始められる、むくみにくい体を作るための生活習慣を紹介します。
簡単なストレッチやマッサージで血流を促す
長時間同じ姿勢でいることが多い方は、こまめに体を動かして血流を促すことが重要です。
デスクワークの合間に足首を回したり、かかとを上げ下げしたりするだけでも、ふくらはぎのポンプ機能が刺激され、血行が改善します。
また、入浴中や就寝前に、足先から心臓に向かってふくらはぎや太ももを優しくマッサージするのも効果的です。
血行やリンパの流れが促進され、溜まった水分や老廃物の排出を助けます。
塩分を排出するカリウムが豊富な食材を食事に取り入れる
お茶からだけでなく食事からも積極的にカリウムを摂取することでむくみ対策はより効果的になります。
カリウムは体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり塩分の多い食事によるむくみを和らげます。
カリウムはほうれん草や小松菜などの葉物野菜アボカドバナナキウイフルーツといった果物そしてわかめやひじきなどの海藻類に豊富に含まれています。
これらの食材を日々の食事にバランス良く取り入れることを意識しましょう。
湯船にゆっくり浸かって体をしっかり温める
忙しいとシャワーだけで済ませてしまいがちですが、むくみや冷えが気になるなら、ぜひ湯船に浸かる習慣を取り戻しましょう。
湯船に浸かることで、全身が温まり血行が促進されます。
また、水圧によるマッサージ効果で、足に溜まった血液やリンパ液を心臓に戻す手助けにもなります。
38〜40℃程度のぬるめのお湯に15分ほどゆっくり浸かると、リラックス効果も高まり、自律神経が整いやすくなります。
体を芯から温めることで、むくみにくい体質へと導きます。
まとめ
体のむくみは、塩分の多い食事や長時間の同じ姿勢、体の冷え、ホルモンバランスの乱れなど、様々な原因によって引き起こされます。
日々のセルフケアとしてお茶を取り入れる際は、余分な水分排出を助けるカリウムや利尿作用のある成分を含むもの、そして血行を促進する体を温める効果のあるものを選ぶのがポイントです。
緑茶や黒豆茶、ルイボスティーなど、自分のライフスタイルや体質に合ったお茶を見つけ、温かい状態でこまめに飲む習慣をつけましょう。
さらに、ストレッチやバランスの取れた食事、入浴などの生活習慣を併せて見直すことで、よりすっきりとした毎日を目指せます。