コラム

茶香炉とは?使い方や選び方、おすすめの茶葉(出がらし・ほうじ茶)も解説

2025.12.15

茶香炉とは、茶葉を加熱して立ち上る香りを楽しむためのアイテムです。
この記事では、茶香炉の基本的な知識から、具体的な使い方、ライフスタイルに合わせた選び方までを詳しく解説します。

キャンドル式や電気式といった種類の違い、ほうじ茶や出がらしなど、おすすめの茶葉についても紹介するため、これから茶香炉を始めてみたいと考えている方の疑問を解消します。

茶香炉とは?お茶の香りで癒されるアイテム

茶香炉は、皿に乗せた茶葉を下から熱し、その香りを楽しむための香炉です。加熱によって茶葉から立ち上る香ばしい香りは、心を落ち着かせる効果が期待できます。茶香炉の仕組みはシンプルで、熱源で茶葉を温めることで香りを発生させます。

茶香炉は、1997年に愛知県半田市の愛知化学陶磁器がアロマポットにヒントを得て商品化された比較的新しい製品です。2001年には「全国地場産業優秀技術・製品表彰」の最優秀賞「中小企業庁長官賞(地場産大賞)」を受賞し、広く知られるようになりました。愛知県常滑市は茶香炉の主要な産地の一つとして有名です。
近年では、旅館や料亭などでその心地よい香りが評判となり、家庭用のアイテムとしても広く知られるようになりました。

茶香炉がもたらす嬉しい効果|リラックスや消臭に

茶香炉がもたらす最大のメリットは、お茶の香りによるリラックス効果です。
お茶に含まれる香り成分「ピラジン」には、心を落ち着かせる働きがあるといわれています。

また、茶葉に含まれる「カテキン」は、優れた消臭効果を持つことで知られており、茶香炉として使用することで部屋の気になる匂いを和らげます。
アロマオイルの香りとは異なる、自然で優しい和の香りは、普段の生活に安らぎの空間を演出します。
こうした心身への良い効果と実用的な消臭能力が、茶香炉の大きな魅力です。

アロマポットとはどう違う?茶香炉ならではの特徴

茶香炉とアロマポットの大きな違いは、香りを発するために使用する材料と方法にあります。
アロマポットは、水を入れた上皿に精油(エッセンシャルオイル)を数滴垂らし、下から加熱して水蒸気とともに香りを拡散させる仕組みです。

一方、茶香炉は茶葉そのものを上皿に乗せ、直接加熱することで茶葉本来の香ばしい香りを引き出します。
そのため、オイルのような強い香りではなく、お茶を焙じたときのような自然で優しい香りが楽しめます。
茶葉という自然素材をそのまま使う点が、茶香炉ならではの特徴といえます。

茶香炉の選び方|3つのポイントで解説

自分に合った茶香炉を選ぶには、いくつかのポイントがあります。
茶香炉は、人気メーカーの製品から作家による一点物、お茶屋や専門店で販売されるものまで様々です。
初心者向けに茶葉がセットになった商品や、ギフトにもなる高級な製品も存在します。

多くの選択肢の中から最適なものを見つけるために、ここでは「加熱方法」「素材」「デザイン」という3つの観点から選び方を解説します。
これらのポイントを押さえることで、自分のライフスタイルや好みに合った茶香炉を見つけやすくなります。

加熱方法で選ぶ|キャンドル式と電気式の違い

茶香炉の加熱方法には、主にキャンドル式と電気式の二種類が存在します。
キャンドル式は、本体の下に専用のろうそくを置いて火を灯し、その熱で茶葉を温めるタイプです。
比較的安価で手に入りやすく、ろうそくの炎の揺らぎが癒やしの空間を演出します。

しかし、火の取り扱いには注意が必要で、長時間使用するとすすが出ることがあります。
一方、電気式はコンセントに繋いでスイッチを入れるだけで手軽に使用でき、火を使わないため安全性が高いのが特徴です。
温度が安定しているため、香りを均一に保ちやすいですが、キャンドル式に比べて価格は高くなる傾向にあります。

素材で選ぶ|陶器製やガラス製の特徴

茶香炉の素材は、見た目の印象や香りの広がり方に影響を与えます。
最も一般的な素材は陶器で、有田焼や信楽焼、茶香炉の産地として知られる常滑焼など、日本各地の伝統的な焼き物で作られたものが多くあります。

陶芸作家が手掛けた一点物も魅力的で、例えばトロッピカル窯の作品などは個性的なデザインで知られます。
陶器製は保温性が高く、じっくりと茶葉を温めるのに適しています。
他にも、熱で輝きが増すガラス製や、木を組み合わせたナチュラルなデザインのものも存在します。
色は定番の白や黒からカラフルなものまで多様で、部屋の雰囲気に合わせて選べます。

デザインや形で選ぶ|インテリアに合うものを見つけよう

茶香炉は香りを楽しむだけでなく、インテリアの一部としても活躍するアイテムです。
そのため、デザインや形で選ぶのも一つの方法です。
シンプルでモダンなデザインのものは、どんな部屋にも馴染みやすく、おしゃれな空間を演出します。

一方で、猫の形を模したものや、伝統的な和柄が施されたものなど、個性的なデザインも豊富にあります。
蓋がついたタイプは、香りの強さを調整したり、使用しないときに埃を防いだりする役割も持ちます。
職人による手作りの製品は、一つひとつ表情が異なり、温かみを感じさせます。
自身の部屋のテイストや好みに合わせて、お気に入りの作りやデザインを見つける楽しみがあります。

初心者でも簡単!茶香炉の基本的な使い方を3ステップで解説

茶香炉の使い方は非常にシンプルで、初心者でもすぐに始められます。
基本的な方法は、茶香炉の上皿にティースプーン1杯程度の茶葉を乗せ、下から加熱するだけです。
茶葉の量はお好みで調整しますが、最初は少量から試すのがおすすめです。
加熱を始めると、徐々に茶葉から香ばしい香りが立ち上ってきます。

香りの持続時間は茶葉の種類や量、加熱方法によって異なりますが、香りが弱くなったり、茶葉が黒く焦げたりしたら交換の合図です。
この簡単な手順で、誰でも手軽にお茶の香りを楽しめます。

茶香炉を使う際に気をつけたい注意点

茶香炉を安全に楽しむためには、いくつかの注意点があります。
特にキャンドル式を使用する際は、火の取り扱いに細心の注意を払う必要があります。
燃えやすいものの近くで使用せず、就寝時やその場を離れる際には必ず火を消してください。
また、加熱中の茶香炉本体や上皿は非常に高温になるため、直接手で触れないようにしましょう。

安定した平らな場所に設置し、地震や不意の衝撃で倒れないように配慮することも重要です。
使用中は定期的に換気を行い、空気がこもらないようにすると、より快適に香りを楽しめます。
これらの点を守り、安全な使用を心がけてください。

茶香炉で焚くのにおすすめの茶葉は?

茶香炉で使用する茶葉に厳格な決まりはなく、様々な種類のお茶で香りを楽しめます。
茶香炉専用に販売されている茶葉もありますが、普段飲用している煎茶やほうじ茶なども使用可能です。

茶葉の種類によって香りの質は異なり、例えば煎茶なら爽やかでほのかに甘い香り、ほうじ茶なら香ばしく落ち着いた香りが広がります。
色々なお茶を試して、その日の気分や好みに合った香りを見つけるのも、茶香炉の楽しみ方の一つです。
自分だけのお気に入りの茶葉を探してみてください。

初めてなら香り高い「ほうじ茶」や「茎茶」がおすすめ

茶香炉を初めて使う場合、香りが立ちやすい茶葉から試すのがおすすめです。
特にほうじ茶は、焙煎による香ばしい匂いが強く、リラックス効果も高いとされるため人気があります。
また、茶葉の茎の部分だけを集めた茎茶(棒茶)も、独特の甘く澄んだ香りが特徴で、初心者でも香りの良さを実感しやすいでしょう。

もちろん、普段飲んでいる緑茶でも爽やかな香りを楽しめます。
少し変わったところでは、紅茶を焚くと甘く華やかな香りが広がります。
まずは手に入れやすいほうじ茶や茎茶から始めて、徐々に他の茶葉を試していくと、香りの違いがよく分かります。

飲み終わった「出がらし」の茶葉も再利用できる

一度お茶を淹れた後の「出がらし」の茶葉も、茶香炉で再利用することが可能です。
出がらしにはまだお茶の成分や香りが残っているため、加熱することで再び香りを楽しめます。
ただし、水分を多く含んだままだと香りが立ちにくく、かえって蒸れたような匂いになることがあります。

そのため、使用する前にキッチンペーパーで水気を取ったり、天日干しやフライパンで軽く煎ったりして、しっかりと乾燥させることがポイントです。
乾燥させた出がらしは、新しい茶葉と混ぜることで、また違った香りの変化を楽しむこともできます。
経済的かつ環境にも優しい楽しみ方です。

茶葉以外も楽しめる!ハーブやコーヒー豆も試してみよう

茶香炉では、茶葉以外にも様々なものを焚いて香りを楽しめます。
例えば、ラベンダーやカモミールといったドライハーブを使用すれば、アロマテラピーのように心身を癒やす効果が期待できます。
また、焙煎されたコーヒー豆を加熱すると、カフェのような香ばしいアロマが部屋いっぱいに広がります。
コーヒー豆は挽いたものではなく、豆のまま使うのがおすすめです。

その他、乾燥させた柑橘類の皮やバラの花びらなども、豊かな香りを楽しむための良い材料になります。
茶葉やハーブとブレンドして、自分だけのオリジナルな香りを作るのも面白い試みです。

よくある疑問|使用後の茶葉は飲めるの?

茶香炉で使用した後の茶葉は、ほうじ茶として飲むことが可能です。
茶香炉で加熱された茶葉は、じっくりと焙煎された状態になるため、お湯を注げば自家製のほうじ茶として楽しめます。

ただし、加熱時間や温度によっては茶葉が焦げすぎてしまい、苦味やえぐみが強く出てしまうこともあります。
茶葉が黒く焦げる前に火から下ろすのが、美味しく飲むためのコツです。
使用後の茶葉の状態を確認し、香ばしい香りがする程度であれば、飲用を試してみる価値はあります。

まとめ

茶香炉は、茶葉を加熱してその香りを楽しむための道具であり、リラックス効果や消臭効果が期待できます。
選び方には、手軽なキャンドル式と安全な電気式といった加熱方法の違いや、陶器やガラスなどの素材、インテリアとしてのデザイン性といったポイントがあります。

使い方は上皿に茶葉を乗せて加熱するだけで、初心者でも簡単に始められます。
おすすめの茶葉は香りが立ちやすいほうじ茶や茎茶ですが、飲み終わった出がらしやハーブ、コーヒー豆なども使用可能です。
使用後の茶葉は、焦げていなければほうじ茶として飲むこともできます。

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