コラム

抹茶のカフェイン量は?コーヒー・玉露と比較|妊娠中や眠れない時の影響

2025.9.16

抹茶とカフェインの関係について多くの方が関心を持っています。
この記事では抹茶に含まれるカフェイン量をコーヒーや玉露といった他の飲み物と比較しながら具体的に解説します。
また夜に飲むと眠れないのかという睡眠への影響や妊娠中に飲む際の注意点も詳しく説明します。
抹茶を安心して楽しむための知識を得ることで豊かなティータイムを過ごせます。

抹茶に含まれるカフェインの量は1杯あたり約60mg

抹茶に含まれるカフェインの量は、1杯あたりどれくらいなのでしょうか。
一般的に飲まれる抹茶(薄茶)の場合、一杯(抹茶粉末2g)あたりのカフェイン含有量は約64mgです。
これは、宇治抹茶などの粉末1gあたり約32mgのカフェインが含まれるためです。
茶道で楽しまれる濃い抹茶の濃茶(粉末4g)では、1杯で約128mgと倍増します。
抹茶は茶葉をそのまま粉末にして飲むため、使用する量によってカフェインの摂取量が変わるのが特徴です。

コーヒーや玉露など他の飲み物とカフェイン量を比較

抹茶のカフェイン量は他の飲み物と比較して多いのか、という点について、様々な情報源を比較すると、一概に「多い」とは言い切れません。100mlあたりのカフェイン含有量で比較した場合、玉露が約160mgと最も多く、次いでドリップコーヒーが約60mg程度、紅茶が約30mg、煎茶やほうじ茶、烏龍茶が約20mg程度とされています。

抹茶のカフェイン含有量は抽出方法や茶葉の量によって変動します。薄茶一杯(約70ml)に含まれるカフェイン量を約64mgとする情報もあれば、100mlあたり約69mgとする情報、また100mlあたり約60mgとする情報もあります。1杯あたりのカフェイン摂取量で考えると、薄茶で約60〜140mg、濃茶で約120〜280mgとなるという情報もあります。これらの情報から、抹茶のカフェイン含有量はコーヒーと同程度か、場合によってはそれ以上となる可能性もあると言えるでしょう。

エスプレッソもカフェインが多い飲み物として知られていますが、一杯あたりの量が少ないため、摂取量は抑えられる傾向にあります。エスプレッソ100mlあたりのカフェイン量は約200~250mgと高いですが、一般的に提供される1ショット(約30ml)では約60〜70mg程度のカフェイン量となるためです。

このように、同じ緑茶の仲間でも、玉露や抹茶は煎茶に比べてカフェイン量が多い傾向にあります。

夜に抹茶を飲むとカフェインで眠れなくなる?睡眠への影響

抹茶に含まれるカフェインには覚醒作用があるため、夜、寝る前に飲むと眠れなくなる可能性があります。
カフェインの効果は摂取後30分から1時間ほどで現れ、数時間持続するとされています。
そのため、睡眠の質を重視するなら、就寝の4〜5時間前からは抹茶を飲むのを控えるのが望ましいでしょう。
ただし、抹茶にはリラックス効果をもたらすテアニンも含まれており、カフェインの作用を穏やかにするとも言われています。

寝る前に抹茶を飲むのが心配な場合の対策

寝る前でも抹茶の風味を楽しみたい場合、いくつかの対策があります。
まず、温かいお湯ではなく水出しで抹茶を点てると、カフェインの抽出量を抑えることが可能です。
カフェインは高温で溶け出しやすいため、低温でじっくり淹れるのがポイントです。
また、抹茶ラテのように牛乳で割ると、抹茶の使用量が少なくなり、相対的にカフェイン摂取量を減らせます。
さらに、抹茶そのものを飲むのではなく、抹茶味のアイスやチョコ、チョコレート菓子といったお菓子やスイーツで風味を楽しむのも一つの方法です。
これらの抹茶菓子や抹茶ラテなら、カフェインの影響を気にしすぎずに抹茶の味を堪能できます。

妊娠中や授乳中に抹茶を飲んでもいい?摂取量の目安

妊娠中や授乳中のカフェイン摂取は、妊婦さん自身だけでなく、お腹の赤ちゃんや母乳を通じて飲む赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。
そのため、抹茶を飲む際には一日のカフェイン摂取量に注意が必要です。
海外の機関では、妊娠中のカフェイン摂取量を1日200〜300mgまでとする指針が出されています。
これは抹茶(薄茶)に換算すると約3杯程度に相当します。
飲む量や頻度を調整すれば、完全に断つ必要はありません。

妊婦さんが抹茶を飲む際に注意したいカフェイン量

妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、胎盤を通じて胎児に移行し、発育に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
胎児はカフェインを分解する肝臓の機能が未発達なため、体内に長時間留まりやすいです。
また、抹茶に含まれるタンニンは鉄分の吸収を妨げる作用があるため、貧血になりやすい妊娠中は特に注意が必要です。
抹茶を飲む場合は、食事の直後は避け、時間を空けるなどの工夫をするとよいでしょう。
1日のカフェイン摂取目安量(200〜300mg)を守り、コーヒーや他のお茶など、他のカフェインを含む飲食物との組み合わせも考慮して、総量を管理することが求められます。

授乳中のママが抹茶を飲むときのポイント

授乳中に母親が摂取したカフェインの一部は、血液から母乳へと移行し、赤ちゃんに吸収されます。
母乳に含まれるカフェインの濃度は、摂取後1〜2時間でピークに達すると言われています。
赤ちゃんはカフェインを分解する能力が低いため、体内に蓄積されやすく、寝つきが悪くなったり、落ち着きがなくなったりする原因になることがあります。
そのため、抹茶を飲むタイミングを工夫するのがおすすめです。
例えば、授乳の直後に飲むことで、次の授乳時間までに体内のカフェイン濃度が下がるのを待つことができます。
妊娠中と同様に1日の摂取目安量を守り、赤ちゃんの様子を見ながら楽しむことが必要です。

子供に抹茶はいつからOK?カフェインの影響について解説

子供に抹茶をいつから与えてよいか、明確な基準はありませんが、カフェインが含まれているため注意が必要です。
特に幼児期はカフェインへの感受性が高く、少量でも睡眠障害や興奮といった影響が出やすいとされています。
カナダ保健省では、子供のカフェイン摂取量について年齢別の目安を示しており、これを参考にするとよいでしょう。
抹茶味のお菓子など少量から始め、子供の様子をよく観察しながら、飲む場合は薄めに作るなどの配慮が求められます。

カフェインだけではない!抹茶に含まれる健康成分の効果

抹茶の魅力はカフェインだけではありません。
茶葉を丸ごと摂取するため、お茶の持つ健康成分を余すことなく取り入れられるのが大きな特徴です。
特に、リラックス効果が期待できる「テアニン」や、強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種である「カテキン」が豊富に含まれています。
これらの成分がもたらす効果を知ることで、抹茶をより深く楽しむことができます。
ほかにもビタミンや食物繊維など、体に嬉しい成分が含まれています。

リラックス効果が期待できるアミノ酸「テアニン」

抹茶のまろやかな旨味や甘みの元となっているのが、アミノ酸の一種である「テアニン」です。
テアニンには、脳内でリラックス状態の時に現れるα波を増加させる働きがあることが研究でわかっています。
これにより、心身を落ち着かせ、集中力を高める効果が期待できます。
また、テアニンはカフェインによる興奮作用を穏やかにする働きも持っています。
コーヒーを飲むと覚醒作用が強く感じられるのに対し、抹茶の場合は比較的穏やかに感じられるのは、このテアニンの相互作用によるものと考えられています。
ストレスを感じた時や、集中したい時に抹茶を一杯飲むのは理にかなっていると言えます。

アンチエイジングに役立つポリフェノール「カテキン」

抹茶の渋み成分である「カテキン」は、ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。
この抗酸化作用により、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐアンチエイジング効果が期待されます。
また、血中コレステロール値の上昇を抑制したり、血糖値の上昇を穏やかにしたりする働きもあり、生活習慣病の予防にも役立つとされています。
さらに、カテキンには抗菌・殺菌作用もあるため、食中毒の予防や口臭対策にも効果的です。
茶葉を丸ごと飲む抹茶は、このカテキンを効率的に摂取できる飲み物です。

抹茶のカフェインに関するよくある疑問を解消

抹茶とカフェインについて解説してきましたが、いくつか疑問が残っているかもしれません。
例えば、「カフェインの入っていない抹茶はあるのか」「1日に何杯まで飲んで良いのか」といった点です。
茶道で嗜むだけでなく、日常的に抹茶を楽しむ上で知っておきたい、よくある疑問について具体的にお答えします。
正しい知識を持つことで、より安心して抹茶を楽しめるようになります。

Q. カフェインの入っていない抹茶はある?

カフェインを控えたい方向けに、カフェインの入っていない、あるいは含有量を減らした抹茶も存在します。
これらの製品は「カフェインレス抹茶」や「デカフェ抹茶」と呼ばれており、特殊な技術でカフェインのみを選択的に除去して作られています。
ただし、「ノンカフェイン」や「カフェインゼロ」と表示できるのは、もともとカフェインを含まない飲料に限られるため、抹茶製品ではあまり見られません。
カフェインレス加工を施すことで、通常の抹茶とは風味や色が若干異なる場合がありますが、カフェインの摂取を気にせずに抹茶を楽しみたい場合には選択肢の一つとなります。
購入時には商品説明をよく確認することをおすすめします。

Q. 1日に何杯までなら抹茶を飲んでも大丈夫?

健康な成人の場合、1日あたりのカフェイン摂取量の上限は400mg程度が目安とされています。
抹茶(薄茶1杯、カフェイン約64mg)に換算すると、1日に6杯程度までとなります。
ただし、これはあくまで目安であり、カフェインへの耐性は個人差が大きいです。
また、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなど他のカフェインを含む飲食物を摂取する場合は、その分も考慮して全体の摂取量を調整する必要があります。
特にカフェインに敏感な方や体調が優れない場合は、量を減らすなどの工夫が必要です。
自身の体質やライフスタイルに合わせて、適度な量を楽しむのが良いでしょう。

まとめ

抹茶には1杯あたり約64mgのカフェインが含まれており、これはコーヒーと同程度、玉露よりは少ない量です。
カフェインには覚醒作用があるため、夜の摂取は睡眠に影響する可能性がありますが、リラックス成分のテアニンも含まれています。
妊娠中や授乳中の方は1日の摂取目安量を守り、子供への影響も考慮する必要があります。
カフェインの特性やテアニン、カテキンといった他の成分の効果を理解し、自身の体調やライフスタイルに合わせて適量を楽しむことで、抹茶を健康的に取り入れることができます。

戻る