コラム

お茶の氷出しの作り方|緑茶・煎茶がおすすめ!水出しとの違いも解説

2025.12.16

氷出しとは、氷を使ってお茶を淹れる抽出方法のことです。
時間をかけてじっくりと抽出することで、お茶本来のうま味や甘みを最大限に引き出した、贅沢な味わいを楽しめます。

この記事では、氷出しと水出しの違いから、氷出しならではの効果、誰でも簡単にできる美味しい作り方までを詳しく解説します。
特別な道具は必要なく、手軽に始められるので、普段とは一味違うお茶の楽しみ方を見つけられます。

氷出し緑茶とは?うま味を凝縮した贅沢な一杯

氷出し緑茶とは、茶葉の上に氷を置き、その氷が常温でゆっくりと溶けることで抽出されるお茶のことです。
極めて低い温度で時間をかけて抽出するため、お茶の渋みや苦みの原因となるカテキンやカフェインの抽出が抑えられ、うま味と甘みの成分であるテアニンが豊富に溶け出します。

その結果、雑味のない、とろりとした濃厚なうま味と、お茶本来の持つ豊かな甘みが凝縮された一杯が出来上がります。
まるで玉露のような、まろやかで奥深い味わいが特徴です。

氷出しと水出しは何が違う?3つのポイントを比較

氷出しと水出し茶は、どちらも低温で淹れるという点では共通していますが、抽出方法や味わい、抽出時間には明確な違いがあります。
氷出しは、時間をかけてうま味を最大限に引き出す贅沢な楽しみ方であり、水出しは、日常的にすっきりとした味わいを手軽に楽しみたい時に適した方法です。

ここでは、それぞれの特徴を3つのポイントに分けて比較し、その違いを詳しく解説します。

抽出方法の違い:氷でじっくり溶かし出すか、水で手軽に淹れるか

氷出しと水出しの最も大きな違いは、抽出に使う媒体とそのプロセスにあります。
水出しは、ポットやボトルに茶葉と水を入れ、茶葉を水に浸した状態で冷蔵庫などで数時間置いて成分を抽出する方法です。
一方、氷出しは急須などの容器に茶葉を入れ、その上に氷を置いて常温で放置します。
氷がゆっくりと溶ける過程で生まれる冷たい滴が、茶葉に少しずつ浸透し、まるで点滴のように一滴ずつ濃厚なエキスを抽出していきます。

この抽出プロセスの違いが、味わいや成分の出方に影響を与えます。

味わいの違い:氷出しは甘みが強く、水出しはすっきりとした風味

低温で淹れることで苦みや渋みが出にくくなる点は、氷出しと水出しに共通する特徴です。
しかし、味わいには違いが生まれます。
水出し茶は、まろやかさの中に爽やかさがあり、ゴクゴクと飲めるすっきりとした風味が魅力です。
一方、氷出しは、氷が溶ける雫でゆっくりと成分を抽出するため、お茶のうま味成分であるテアニンがより凝縮されます。

その結果、水出しよりもさらに雑味がなく、とろりとした口当たりと濃厚な甘み、そして深いコクを感じられる、玉露のような味わいになります。
まさに、お茶のエッセンスを味わうための淹れ方です。

抽出時間の違い:時間をかける氷出しか、短時間でできる水出しか

抽出にかかる時間も両者の大きな違いの一つです。
水出しの場合、茶葉の種類や水の量にもよりますが、冷蔵庫に入れてから1~3時間程度で飲むことができます。
比較的短時間で手軽に作れるため、日常的に楽しむのに適しています。

対して氷出しは、室温で氷が完全に溶けきるのを待つ必要があるため、数時間から半日ほどかかることもあります。
季節や室温によって氷が溶ける速さが変わるため、抽出時間は一定ではありません。
時間をかけてゆったりと待つ時間も氷出しの楽しみの一つと言えます。

氷出し緑茶だから得られる3つの嬉しい効果

氷出しという特別な淹れ方は、緑茶が持つ健康成分を効率的に、そして美味しく摂取することを可能にします。
低温でじっくりと抽出することで、高温では失われがちな成分を引き出したり、逆に過剰な抽出を抑えたりすることができます。

その結果、リラックス効果の向上やカフェイン摂取量の抑制、さらには免疫力を高める成分の効率的な摂取が期待できるのです。
ここでは、氷出し緑茶ならではの体に嬉しい3つの効果を紹介します。

テアニンの効果でリラックスしながら豊かな甘みを楽しめる

氷出しの最大の魅力は、お茶のうま味や甘みの主成分であるアミノ酸の一種「テアニン」を豊富に抽出できる点にあります。
テアニンには、心身をリラックスさせる効果や、ストレスを緩和する働きが期待されています。
お湯で淹れると、苦み成分のカテキンも多く抽出されますが、氷を使った低温抽出ではカテキンの溶出が抑えられます。

そのため、テアニンの持つ上品なうま味と甘みが際立ち、茶葉本来の味わいを存分に楽しむことが可能です。
美味しいだけでなく、心穏やかな時間をもたらしてくれます。

カフェインの抽出が抑えられ体に優しく飲める

お茶に含まれるカフェインは、高温で淹れるほど多く抽出される性質を持っています。
氷を使って極めて低い温度で抽出する氷出しは、このカフェインの溶出を大幅に抑えることができます。
そのため、カフェインの覚醒作用や利尿作用が気になる方でも安心して楽しめます。

就寝前やリラックスしたい時、あるいはカフェインの摂取を控えている方やお子様にも適した飲み方です。
お茶の美味しさはそのままに、体に負担をかけずに楽しめるのは、氷出しならではの大きなメリットです。

免疫力を高めるエピガロカテキンを効率的に摂取できる

緑茶に含まれるカテキンの一種であるエピガロカテキンは、免疫細胞であるマクロファージを活性化させ、免疫力を高める働きがあることで知られています。
このエピガロカテキンは、高温で抽出されやすい他のカテキン類とは異なり、低温でじっくり淹れることで効率的に抽出される性質を持ちます。

氷出しという抽出方法は、このエピガロカテキンを効果的に摂取するのに非常に適した方法です。
渋みが少なく飲みやすいため、無理なく健康成分を日々の生活に取り入れることができます。

誰でも簡単!氷出し緑茶の美味しい作り方

専門店で味わうような特別な一杯に思える氷出し緑茶ですが、実は特別な道具は一切必要ありません。
自宅にある急須と氷、そしてお気に入りの茶葉さえあれば、誰でも手軽に挑戦できます。

作り方は非常にシンプルで、氷が溶けるのを待つだけ。
ここでは、準備するものから具体的な抽出手順まで、美味しい氷出し緑茶を作るための方法を分かりやすく解説します。
ぜひ、この機会に試してみてはいかがでしょうか。

準備するものは茶葉・氷・急須の3つだけ

氷出し緑茶を作るために特別な器具は必要ありません。
準備するものは、お好みの茶葉、家庭用の冷凍庫で作った氷、そして普段使っている急須の3つだけです。
もし急須がなければ、宝瓶(ほうひん)や、ガラス製のサーバー、フィルター付きのボトルなどでも代用できます。

茶葉の量は、1人分で5g〜10g程度を目安にすると良いでしょう。
普段お湯で淹れる時よりも少し多めに使うと、より濃厚なうま味を抽出できます。
氷は、急須や使用する容器の大きさに合わせて、たっぷりと用意してください。

3ステップで完成!氷を溶かして注ぐだけの抽出手順

氷出し緑茶の作り方は非常に簡単で、3つのステップで完成します。
まず、急須に茶葉を入れます。
この時、茶葉が急須の底で均等に広がるようにすると、ムラなく抽出されやすくなります。

次に、茶葉を覆うように氷をたっぷりと乗せます。
急須の口まで氷で満たすのが目安です。
あとは、急須に蓋をして、氷が自然に溶けきるのを常温で待ちます。
数時間後、氷が完全に溶けたら、グラスに最後の一滴まで静かに注ぎ切ることで、濃厚なうま味の凝縮した一杯が楽しめます。

氷出しには緑茶や煎茶が最適!その理由とは

氷出しという淹れ方は、茶葉が持つうま味成分「テアニン」を最大限に引き出すのに適しています。
そのため、氷出しで淹れるお茶には、テアニンを豊富に含む緑茶、特にうま味が強い煎茶や玉露、かぶせ茶などが最適です。

これらの茶葉は、製造工程で日光を遮るなどして、うま味成分が多くなるように栽培されています。
氷でじっくりと時間をかけて抽出することで、これらの茶葉のポテンシャルが最大限に発揮され、とろりとした甘みと濃厚なうま味を持つ、格別な一杯を味わうことができます。

まとめ

氷出しは、氷を使って低温でじっくりと茶を抽出する方法で、茶葉本来のうま味と甘みを凝縮した格別な味わいを楽しめます。
水出しよりもさらに時間をかけることで、渋みや苦みの原因となるカフェインやカテキンの抽出を抑え、リラックス効果のあるテアニンや免疫力を高めるエピガロカテキンを効率的に摂取できるのが特徴です。
特に煎茶や玉露などのうま味が強い緑茶に適していますが、ほうじ茶などでも試すことが可能です。

一方で、麦茶のような穀物茶はうま味成分が少ないため、氷出しよりも水出しの方が香りを引き出しやすく、適している場合があります。

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