コラム

二日酔い対策にお茶は効く?緑茶など予防におすすめの飲み物

2025.10.30

二日酔いのつらい症状の対策として、お茶が効くという話を聞いたことがあるかもしれません。
特に緑茶に含まれる成分は、二日酔いの予防や症状緩和に役立つとされています。

この記事では、二日酔いにお茶がおすすめの理由や、効果を高める飲み物の選び方、飲むタイミングについて解説します。
身近な飲み物であるお茶を上手に活用し、つらい二日酔いを乗り切りましょう。

そもそも二日酔いはなぜ起こる?主な原因を解説

二日酔いは、摂取したお酒の量に対して、体内のアルコール分解能力が追いつかない場合に起こります。
アルコールが肝臓で分解される過程で「アセトアルデヒド」という有害な物質が生成され、この物質が頭痛や吐き気、倦怠感といった二日酔いの主な症状を引き起こす原因となります。

また、アルコールの利尿作用による脱水症状や、アルコール分解の過程で糖分が消費されることによる低血糖も、二日酔いの症状を悪化させる要因の一つです。

お茶が二日酔いの症状緩和に期待できる4つの理由

お茶には、二日酔いのさまざまな症状に良いとされる成分が含まれています。
例えば、カフェインやカテキン、ビタミンCなどがその代表です。
これらの成分が持つ効果によって、頭痛の緩和や胃の保護、アルコール分解の促進などが期待できます。

水分補給としてお茶を飲むこと自体も、脱水症状の改善に効くため有効です。
ここでは、お茶が二日酔いに良いとされる具体的な理由を4つに分けて説明します。

理由1:カフェインの作用でつらい頭痛を和らげる

二日酔いによる頭痛の一因は、アルコールの作用で脳の血管が拡張することにあると考えられています。
お茶に含まれるカフェインには、この拡張した血管を収縮させる働きがあります。
血管が収縮することで、血管の周りの神経への刺激が和らぎ、ズキズキとした頭痛の緩和が期待できるのです。

ただし、カフェインの効果には個人差があり、過剰に摂取すると別の不調を引き起こす可能性もあるため、適量を心がけることが重要です。
頭痛の種類によっては逆効果になる場合もあるため、痛みがひどい場合は医療機関を受診してください。

理由2:カテキンが荒れた胃の粘膜を保護する

アルコールは胃の粘膜を直接刺激するため、飲みすぎると胃もたれや吐き気といった不快な症状を引き起こします。
緑茶に豊富に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンには、タンパク質と結合して膜を作り、組織を引き締める「収れん作用」があります。

この働きによって、荒れた胃の粘膜を保護し、炎症を和らげる効果が期待できます。
特に、飲酒によって胃が弱っている際には、カテキンの胃粘膜保護作用が胃の不快感の軽減に役立ちます。

理由3:ビタミンCがアルコールの分解を助ける

アルコールの分解には、ビタミンやミネラルが消費されることがあります。特に、アルコールが分解される過程で生成されるアセトアルデヒドの分解には、ビタミンCが関与すると考えられています。ビタミンCは、アセトアルデヒドの分解を促進し、二日酔いの原因物質の濃度を下げるのに役立つ可能性があります。

緑茶にはビタミンCが豊富に含まれているため、飲酒時や飲酒後に摂取することで、ビタミンCを補給できる可能性があります。 ビタミンCを補給することは、アセトアルデヒドの分解をスムーズに進める一助となり、二日酔いの回復をサポートすることが期待されます。

理由4:利尿作用によってアセトアルデヒドの排出を促進する

お茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、尿の量を増やす働きがあります。
これにより、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを体外へ効率的に排出する手助けとなります。
体内に残った有害物質を早く排出することで、頭痛や吐き気といった不快な症状からの回復を早める効果が期待できます。

ただし、利尿作用は脱水症状を助長する可能性もあるため、お茶だけでなく水と交互に飲むなどして、十分な水分補給を心がけることが大切です。
特に飲酒後は脱水状態になりやすいため、水での水分補給は不可欠です。

二日酔い予防・対策に効果的なお茶の飲み方

二日酔い対策としてお茶を飲む場合、その効果をより高めるためにはいくつかのポイントがあります。
ただやみくもに飲むのではなく、適切なタイミングや温度を意識することが有効です。
アルコールで負担がかかった体に配慮しつつ、お茶の成分を効率的に活用するための飲み方を知っておきましょう。

ここでは、具体的な飲み方のコツを2つ紹介します。

飲むタイミングは「飲酒中」や「飲酒後」がおすすめ

二日酔い対策として、飲酒中にお茶を飲むことが推奨されています。お茶に含まれるカテキンには、胃の粘膜を保護し、アルコールの吸収を穏やかにする効果が期待できます。また、カフェインはアセトアルデヒドの分解・代謝を促し、利尿作用によって体外への排出を助けると考えられています。飲酒中にお茶をチェイサーとして飲むことは、アルコールの過剰摂取を防ぎ、二日酔いを軽減するのに役立つでしょう。

飲酒後の水分補給として、寝る前にお茶を飲むことも良い方法です。カフェインにはアルコールの分解を助ける作用があるため、緑茶などカフェインを含むお茶は、翌朝の二日酔い症状の軽減に役立つ可能性があります。

ただし、就寝前にカフェインを多く含むお茶を飲むと、覚醒作用により眠りが浅くなる可能性があります。そのため、寝る前に飲む場合は、カフェインの少ないほうじ茶や麦茶、またはノンカフェインのお茶を選ぶのが良いでしょう。

胃にやさしい温かいお茶を選ぶ

飲酒後の胃はアルコールによって刺激を受け、デリケートな状態になっています。
そこに冷たい飲み物を流し込むと、胃にさらなる負担をかけてしまう可能性があります。
そのため、二日酔いの際には、胃腸にやさしい温かいお茶を選ぶのがおすすめです。

温かい飲み物は内臓を温め、血行を促進する働きも期待できます。
ただし、熱すぎるお茶はかえって食道や胃の粘膜を傷つける恐れがあるため、人肌程度の少し冷ました温度でゆっくりと飲むように心がけてください。

緑茶以外も効果あり?二日酔いのときにおすすめのお茶

二日酔い対策として緑茶が挙げられることがあります。お茶の中には、他にも多様な特徴を持つ種類があります。

例えば、煎茶にはビタミンCが含まれています。ほうじ茶は製造過程でカフェインが比較的少なくなる傾向があり、香ばしい香りでリラックス効果が期待できるとされています。そのため、胃に優しく、就寝前にも飲みやすいと感じる人もいるかもしれません。抹茶にはカテキンやカフェインといった成分が含まれています。鎌倉時代には、源実朝が抹茶で二日酔いから回復したという記録が残されています。また、アルコール摂取時にお茶を飲むことで、アルコールの血中到達速度が穏やかになり、血中からの消失が早まる可能性も示唆されています。

それぞれのお茶が持つ異なる特徴を考慮し、体調や時間帯に合わせて選ぶことがおすすめです。

お茶以外では、クエン酸を含む酢のドリンクが疲労回復に役立つとされており、二日酔いの改善に役立つ可能性も指摘されています。酢には肝機能を高め、代謝機能を促進する効果が期待できるためです。ハチミツや果汁100%ジュースを混ぜた酢のドリンクは、果糖が肝臓でのアルコール分解を助ける作用があるため、より効果的だと考えられています。

お茶を飲む際に気をつけたい注意点

二日酔いの緩和に役立つお茶ですが、飲み方には注意が必要です。
良かれと思って飲んだお茶が、かえって体調を悪化させてしまうケースも考えられます。
特に、カフェインの量や飲むときの胃の状態には気をつける必要があります。

ここでは、お茶を飲む際に押さえておきたい注意点を2つ解説します。
これらのポイントを理解し、体に負担をかけないようにお茶を活用しましょう。

カフェインの過剰摂取で脱水症状が悪化することも

お茶に含まれるカフェインには利尿作用があるため、過剰に摂取すると体内の水分を必要以上に排出してしまう可能性があります。アルコールを摂取した体は脱水傾向にあるため、カフェインを多く含むお茶を過剰に摂取すると脱水症状をさらに悪化させるおそれがあります。

特に玉露や抹茶など、カフェイン含有量の多いお茶を飲む際には注意が必要です。お茶を飲む場合は、それと同時に水やスポーツドリンクなども適切に摂取し、体内の水分バランスを保つように心がけてください。

空腹時に濃いお茶を飲むのは避ける

飲酒後や二日酔いの朝は、胃が荒れていたり空腹だったりすることが多いです。
そのような状態でカフェインやカテキンを多く含む濃いお茶を飲むと、胃の粘膜を直接刺激してしまい、胃痛や吐き気を引き起こす原因となることがあります。

特に空腹時には、お茶の成分が胃に与える刺激が強くなるため注意が必要です。
もしお茶を飲むのであれば、何か少しお腹に入れてからにするか、お茶を薄めに淹れて飲むようにしましょう。
胃への負担を最小限に抑えることが大切です。

まとめ

二日酔いの対策として、お茶は有効な選択肢の一つです。
お茶に含まれるカフェインは頭痛を和らげ、カテキンは胃の粘膜を保護する働きが期待できます。
また、ビタミンCはアルコールの分解を助け、利尿作用は原因物質の排出を促進します。

効果的な飲み方として、飲酒中や飲酒後に、胃に負担の少ない温かいお茶を飲むことが推奨されます。
ただし、カフェインの過剰摂取による脱水症状の悪化や、空腹時に濃いお茶を飲むことによる胃への刺激には注意が必要です。
これらの点に留意し、水と併用しながらお茶を上手に取り入れてください。

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