コラム

寝る前の緑茶は快眠に効果的?メリットとカフェインを抑える飲み方

2025.10.27

寝る前に緑茶を飲む習慣は、リラックス効果が期待できる一方で、カフェインによる睡眠への影響が懸念されます。
しかし、緑茶に含まれる成分の特性を理解し、淹れ方や飲むタイミングを工夫することで、カフェインの作用を抑えながら快眠につながるメリットを得ることが可能です。

この記事では、寝る前に緑茶を飲む際の注意点と、その健康効果を最大限に引き出すための具体的な方法について解説します。

寝る前の緑茶は要注意!カフェインが睡眠に与える影響

寝る前に緑茶を飲む際には、含まれる成分に注意が必要です。
緑茶には覚醒作用を持つカフェインと、リラックス効果をもたらすテアニンという対照的な成分が共存しています。
そのため、飲み方次第で睡眠に与える影響が大きく変わるのです。

カフェインの作用を強く受けると寝つきが悪くなる可能性がある一方、テアニンの効果をうまく引き出せば、心身を落ち着かせて穏やかな眠りをサポートすることもできます。

緑茶に含まれるカフェインの覚醒作用とは

緑茶に含まれるカフェインには、脳内で眠気を誘発するアデノシンという物質の働きを阻害する覚醒作用があります。
これにより、脳が興奮状態になり、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりする原因となり得ます。
緑茶のカフェイン量は、一般的な煎茶でコーヒーの約3分の1程度ですが、玉露のようにカフェインを多く含む種類も存在します。

カフェインへの感受性は個人差が大きいため、少量でも睡眠に影響が出る人もいます。
就寝前に摂取すると、睡眠の質を低下させる可能性があるため、飲む量や時間帯には配慮が必要です。

リラックス効果をもたらす成分「テアニン」の働き

緑茶の旨味成分であるテアニンは、アミノ酸の一種で、心身をリラックスさせる効果が確認されています。
テアニンを摂取すると、脳内でアルファ波というリラックス状態のときに出る脳波が増加し、心拍数の上昇を抑え、緊張を和らげる働きがあります。

また、神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの濃度を調整し、精神を安定させる作用も期待できます。
このテアニンの働きは、同じく緑茶に含まれるカフェインの興奮作用を穏やかにし、睡眠の質を高める助けとなります。
そのため、淹れ方を工夫してテアニンを効率よく摂取することが、快眠への鍵となります。

快眠につながる!カフェインを抑えた緑茶の飲み方3選

寝る前に飲む緑茶は、淹れ方を少し工夫するだけでカフェインの摂取量をコントロールできます。
カフェインは高温のお湯で抽出されやすく、リラックス効果のあるテアニンは低温でもじっくりと抽出される性質を持っています。
この温度による成分の抽出されやすさの違いを利用するのがポイントです。

これから紹介する方法を実践することで、カフェインの影響を最小限に抑えつつ、緑茶が持つ快眠へのメリットを享受しやすくなります。

お湯ではなく「水出し」でカフェインの抽出を抑える

カフェインの抽出を抑える最も効果的な方法が水出しです。
カフェインは高温のお湯に溶け出しやすい性質があるため、水で時間をかけて抽出することで、その量を大幅に減らすことができます。

一方で、リラックス効果をもたらすテアニンは低温でも十分に抽出されるため、カフェインの覚醒作用を気にすることなく、テアニンの恩恵を受けることが可能です。
水出し緑茶は、旨味や甘みが引き立ち、苦味や渋みが少なくなるため、まろやかで飲みやすい味わいになるのも特徴です。
就寝前の水分補給として、穏やかな味わいの水出し緑茶を取り入れるのは良い選択肢となります。

ぬるめのお湯で淹れてテアニンの効果を引き出す

温かい緑茶を楽しみたい場合は、お湯の温度を低めに設定することが重要です。
一般的に、緑茶の旨味成分であるテアニンは50℃程度の低温で最もよく抽出され、苦味や渋みの原因となるカテキンやカフェインは70℃以上の高温で抽出が進みます。
そのため、50〜60℃程度のぬるめのお湯でゆっくりと淹れることで、カフェインの抽出を抑えつつ、テアニンのリラックス効果を最大限に引き出すことが可能です。

また、製造工程で高温焙煎されるほうじ茶は、カフェインが昇華して量が少なくなるため、就寝前の飲み物としても適しています。

就寝の2〜3時間前までには飲み終える

緑茶に含まれるカフェインは、摂取してから30分〜1時間ほどで血中濃度が最大になり、その効果は数時間持続します。
カフェインの覚醒作用が睡眠に影響を与えないようにするためには、飲むタイミングの管理が欠かせません。
一般的に、カフェインの血中濃度が半分になるまでには3〜4時間かかるとされています。

そのため、就寝の2〜3時間前までには緑茶を飲み終えるのが望ましいです。
就寝直前に温かい飲み物でリラックスしたい場合は、カフェインを含まないハーブティーや白湯などを選ぶようにしましょう。

リラックスだけじゃない!寝る前に緑茶を飲む健康上のメリット

寝る前に緑茶を飲むことには、リラックス効果以外にも、健康や美容に良い影響をもたらす可能性があります。
緑茶に豊富に含まれるカテキンなどの成分が、睡眠中に身体の中で働くことで、様々なメリットが期待できるのです。

特に、口内環境の改善や抗酸化作用による美容効果は、日々の健康維持に役立つでしょう。
ここでは、緑茶が持つ睡眠以外の健康上の利点について詳しく見ていきます。

口内環境を整えて翌朝の口臭を予防する

就寝中は唾液の分泌が減少し、口の中で細菌が繁殖しやすくなるため、翌朝の口臭やネバつきの原因となります。
緑茶や紅茶に含まれるカテキンには強い殺菌・抗菌作用があり、虫歯の原因となるミュータンス菌や、口臭を引き起こす細菌の増殖を抑制する働きが期待できます。

寝る前に緑茶を飲むことで、口内を殺菌し、清潔な状態に保つ手助けとなります。
これにより、翌朝の不快な口臭を予防し、口内環境を健やかに保つことにつながります。
ただし、加糖の緑茶飲料は逆効果になるため、無糖のものを選びましょう。

カテキンの抗酸化作用で美容効果が期待できる

緑茶の主要なポリフェノールであるカテキンには、強力な抗酸化作用があります。
この作用により、体内で発生する活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ働きが期待されます。
活性酸素は、シミやしわ、たるみといった肌の老化現象を引き起こす原因の一つと考えられているため、カテキンの摂取はアンチエイジングの観点からも有益です。

また、カテキンには体脂肪の燃焼を促進する効果も報告されており、継続的な摂取は健康的なダイエットのサポートにもなります。
寝ている間の身体の修復時間に、これらの美容効果が働くことが期待されます。

寝る前に緑茶を飲むなら知っておきたい注意点

寝る前の緑茶には多くのメリットがある一方、いくつかの注意点も存在します。
特に、緑茶に含まれるカフェインは、睡眠の質を低下させる可能性があるだけでなく、身体に他の影響を及ぼすこともあります。

リラックス効果を求めて飲んだ緑茶が、かえって不快な症状を引き起こすことのないよう、事前に注意点を理解しておくことが重要です。
ここでは、特に知っておきたい2つのポイントについて解説します。

利尿作用で夜中にトイレに行きたくなる可能性

緑茶に含まれるカフェインには、腎臓の血管を拡張させて血流を促し、尿の生成を増加させる利尿作用があります。
そのため、寝る前に緑茶を飲むと、夜中に尿意を感じて目が覚めてしまう可能性があります。
睡眠が途中で中断されると、深い眠りが妨げられ、睡眠の質が低下する原因となります。

特に、もともと夜間にトイレで起きることが多い人は、就寝前の緑茶の摂取は控えるか、ごく少量に留めるなどの配慮が必要です。
飲む時間帯を早めたり、カフェインの少ないお茶を選んだりする工夫も有効です。

胃腸が弱い人は空腹時を避けて飲む

カフェインには胃酸の分泌を促進する働きがあるため、胃腸が弱い人が空腹時に緑茶を飲むと、胃に負担がかかる場合があります。
胃酸が過剰に分泌されることで、胃痛や胸やけ、胃の不快感などを引き起こす可能性があります。
特に、逆流性食道炎などの症状がある人は注意が必要です。

寝る前に飲む場合は、夕食後など、胃の中に食べ物がある状態で摂取するのが望ましいです。
もし空腹時に飲むのであれば、刺激の少ない薄めの緑茶を選んだり、一度にたくさん飲まないようにしたりするなどの工夫をしましょう。

まとめ

寝る前の緑茶は、カフェインによる睡眠への悪影響が懸念される一方で、淹れ方や飲むタイミングを工夫することで、そのデメリットを最小限に抑えることが可能です。
緑茶に含まれるテアニンには優れたリラックス効果があり、心身を落ち着かせ、穏やかな眠りをサポートします。
カフェインの抽出を抑えるためには、水出しや50〜60℃のぬるめのお湯で淹れる方法が有効です。

また、就寝の2〜3時間前までには飲み終えることで、カフェインの覚醒作用を避けることができます。
これらのポイントを押さえれば、リラックス効果だけでなく、カテキンによる口臭予防や美容効果といった健康上のメリットも享受できるでしょう。

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