
皆さんは、購入したり贈り物でいただいたお茶をどのように保管していますか?
日本茶は繊細な香りや風味が特徴の飲み物ですが、保存方法を間違えるとせっかくの味わいが損なわれてしまう場合もあります。日本茶は湿気・酸化・光に弱く、保管場所によって品質が大きく左右されるため、正しい保存方法を知っておくことが大切です。
この記事では、日本茶を長く美味しく楽しむための基本的な保存のコツと、保存に適した容器や場所についてわかりやすく解説します。
目次
お茶の保存に関する基礎知識
お茶に対して「乾物」というイメージを持ち、賞味期限が長いと考える人も多いでしょう。
しかし、お茶は非常に繊細な食品で、未開封であっても保存状態によっては品質が変化してしまうこともあります。
以下ではお茶の保存についての基本をおさらいします。

お茶の賞味期限はどれくらい?
パッケージに記載される日本茶の賞味期限は、ほとんどの商品でおよそ半年から1年程度です。ただし、これはあくまでも未開封の場合に限ります。
開封したあとは夏場の場合で2週間、冬場の場合は1ヶ月ほどで飲みきるのが目安です。
お茶を購入する際は、期間内に消費できるよう少量を買うことを心がけ、開封後は茶缶やジッパーバッグなどに入れて密封し、冷暗所で保管しましょう。
お茶の鮮度や風味が下がってしまう原因は?
お茶の鮮度・風味が下がる原因は、主に以下の3つです。
・湿気のある場所での保存
茶葉は乾燥させた状態で、密封して販売されている商品です。
開封したまま放っておくとすぐに湿気を吸い、味や香りの劣化が進む原因になります。
・照明や太陽光・空気・高温による酸化
照明や太陽光などの光を浴びたり、空気に触れた茶葉はたちまち酸化します。
加えて、カテキンやビタミンCなどの栄養素が破壊されてしまい、お茶の風味はもちろん鮮やかな色合いも損なわれる原因となってしまいます。
・におい移り
茶葉は他の食品などのにおいを吸着する性質がある食品です。
においの強いものと一緒に保存すると、お茶の香りが落ちる場合があるため注意が必要です。
お茶を美味しく飲むための保存方法
茶葉は、光・高温・多湿・酸素に弱いデリケートなもの。
これらを避けるために、直射日光と高温を避けた冷暗所に置くのが原則です。
また未開封と開封後では保存方法が異なるため、日本茶を長く美味しく楽しむために、以下で解説する保存方法を知っておくと便利です。

未開封のお茶の場合
未開封の場合は、食器棚の中などの冷暗所で保管します。
湿気がたまりにくい腰よりも高い位置を選び、水気のあるシンクの下などは避けます。
また未開封に限っては、茶葉を冷蔵庫・冷凍庫で保存することもできます。
ただし、その場合は買ってきたパッケージを開けずに冷蔵庫へ入れましょう。
パッケージを開けて飲む際は、茶葉が冷たい状態で開封すると室温との差で表面に結露が発生して、劣化の原因となります。
必ず開封前に常温に戻してから開封するようにしてください。
未開封であっても、常温と冷蔵を何度も繰り返すと結露や変質の原因となるため、一度冷蔵庫に入れたら開封までは同じ場所で保存しましょう。
開封したお茶の場合
開封した場合は、常温の冷暗所で保存します。
茶缶に移す場合は茶葉の残量に合ったものを選び、缶いっぱいに茶葉を詰めて空気に触れる量を減らし、酸化や湿気を防ぐことが重要です。
パッケージのまま保存する場合は、余分な空気を抜いて袋の口を何度か折り、クリップでしっかりとめましょう。
ティーバッグの場合は容器に移しても構いませんが、光が入らない遮光性のある容器にし、食品の乾燥剤を入れるとさらに長持ちします。
開封してしばらく時間が経った場合
開封したお茶を飲み忘れるなどして、1ヶ月以上経つとかなり風味が落ちてしまいます。
その場合はうがい用のお茶として使ったり、通気性のある袋に入れて靴箱などの脱臭剤として利用する方法もあります。
また、自宅にあるフライパンにクッキングペーパーを敷いて茶葉を入れ、弱火で焦げないように混ぜながら炒る方法もおすすめです。
全体的にきつね色になれば、香ばしい香りが楽しめるほうじ茶の完成です。
お茶の保存に便利なグッズ
光や湿度、温度の変化、空気に触れる状況によって劣化してしまうお茶。
「かなり保管状態に気を遣うのでは…」と心配する方もいるかもしれませんが、以下のような便利グッズを使えば手軽に茶葉を保存できます。

茶筒
最近では、デザイン性が高い茶筒が100円ショップなどで安価で販売されており、見た目にも楽しい保存方法として人気です。
茶筒を選ぶ際は茶葉の残量に合ったものにし、空気に触れないように保存するのが大事です。
大きい茶筒に少しだけ茶葉が入っている状態は、常にお茶と空気が触れあっていて劣化につながりますので、早めに飲みきるようにしましょう。
ジッパーバッグ
普通の袋に比べてしっかり空気を抜いて未封状態にできるジッパーバッグは、湿気を遮断できて便利です。
パッケージのまま保存する場合は、開封した部分を何度か折返してクリップでとめたものをさらにジッパーバッグに入れると気密性がアップします。
最近のお茶のパッケージは光や酸素を通さない加工が施されているため、容器に移し替えるよりも劣化の心配が少なく、かつ手軽に保存できるためおすすめです。
ガラス瓶やキャニスター
ガラス瓶やホーロー製のキャニスターなども茶葉の保存に使えます。
プラスチック製の容器はにおい移りをする場合があるため、避けた方が無難です。
容器の中には乾燥剤を一緒に入れ、太陽光や照明が当たる場所には置かないようにします。
フタにゴムがついて密閉できるものであれば、より空気に触れる心配が減って長くお茶の風味を保てます。
まとめ
日本茶を開封後も美味しく楽しむためには、湿気・酸素・光・温度変化を避けることが重要なポイントです。
密閉できる容器に茶葉を入れて冷暗所で保管し、開封後は2週間から1ヶ月以内に飲みきるよう心がけましょう。
冷蔵保存する際は室温との温度差による結露にも注意が必要です。
せっかくなら、最後まで良い状態で保存したおいしいお茶を楽しみたいですね。
ぜひ日本茶の正しい保存方法を実践して、日々のお茶タイムをより豊かなものにしてください。
