コラム

お中元の時期はいつからいつまで?地域別(関東・関西)の違いを解説

2025.12.15

2025年の夏、お世話になった方へ感謝を伝えるお中元を贈る時期はいつからいつまでかご存知でしょうか。
日本の夏の習慣であるお中元ですが、その時期は地域別で異なります。
特に、関東と関西では贈るタイミングに1ヶ月ほどの違いがあるため注意が必要です。
今年の夏に失礼なく感謝の気持ちを伝えるためにも、お住まいの地域や贈り先の地域に合わせた正しい時期を把握しておきましょう。

この記事では、2025年のお中元はいつから贈るべきか、地域ごとの違いを詳しく解説します。

そもそもお中元とは?日頃の感謝を伝える夏の風習

お中元とは、日頃からお世話になっている方々へ感謝の気持ちを伝える目的で、夏の時期に品物を贈る日本の習慣です。
この風習の起源は中国の道教にあり、三元の一つである「中元(旧暦7月15日)」に神様へお供え物をする行事が由来とされています。

それが日本に伝わり、仏教のお盆の行事と結びついて、先祖を供養する習慣となりました。
現在では、上半期の感謝を伝える夏の挨拶として定着しており、お世話になった上司や親戚、取引先などへ贈り物をするのが一般的です。
なぜ贈るのかという目的を理解し、マナーを守って感謝の気持ちを表現することが重要です。

【2025年】お中元を贈る全国的な時期の目安は7月初旬〜15日

2025年にお中元を贈る時期は、全国的に見ると7月初旬から7月15日までが一般的な目安とされています。
この期間は関東地方の習慣に由来しており、現在では全国的な基準として広く認識されています。
今年のお中元の準備を始めるなら、6月下旬頃から品物を選び始め、7月15日までに相手の手元に届くよう手配を進めるのがスムーズです。

百貨店やオンラインストアでは、6月上旬頃からお中元商戦が始まり、早めに注文すると割引などの特典が受けられる場合もあります。
日にちを指定して配送することも可能なので、贈る時期を逃さないよう計画的に準備を進めましょう。

【地域別】お中元を贈る正しい時期|関東と関西では1ヶ月も違う

お中元を贈る時期は、全国一律ではなく地域によって習慣が異なります。
特に東日本の中心である関東と、西日本の中心である関西の地方では、贈る時期に1ヶ月ほどの差が見られます。

こうした地域ごとの違いを知らずに贈ると、相手に非常識な印象を与えてしまう可能性も否定できません。
お中元は日頃の感謝を伝えるための贈り物であるため、相手が住む地域の文化や習慣に配慮することが大切です。
ここでは、関東と関西をはじめ、それぞれの地域における正しいお中元の時期を解説します。

関東地方のお中元時期:7月初旬〜7月15日

関東地方でお中元を贈る時期は、7月初旬から7月15日までが一般的です。この習慣は、もともと旧暦の7月15日に行われていたものが、新暦の採用に伴い1ヶ月早まったとされています。お中元を贈る時期は地域によって異なり、相手の地域の習慣に合わせることが重要です。例えば、北海道や東海、関西、中国、四国地方では7月15日から8月15日、九州地方では8月1日から8月15日が一般的な時期とされています。そのため、贈る地域を事前に確認し、その期間に合わせて手配することが大切です。

ただし、配送には数日かかることを考慮し、7月15日までに確実に相手に届くように、早めに手配を済ませておくのが賢明です。特に人気の商品は品切れになることもあるため、6月中から準備を始めることをおすすめします。

関西地方のお中元時期:7月中旬〜8月15日

関西地方でお中元を贈る時期は、関東よりも1ヶ月ほど遅い7月中旬から8月15日までが一般的です。
これは、関西をはじめとする西日本の多くの地域で、お盆を月遅れの8月15日に行う習慣が根強く残っているためです。

お中元がお盆と深い関わりを持つ行事であることから、お盆の時期に合わせて贈る文化が定着しています。
具体的には、7月中旬頃から贈り始め、8月15日までに届くように手配します。
関東の感覚で7月初旬に贈っても失礼にはあたりませんが、関西の習慣に合わせるなら7月中旬以降に贈るのがより丁寧な対応となります。

関東・関西以外の地域別お中元シーズン一覧

お中元を贈る時期は、関東や関西だけでなく、他の地域でも独自の習慣が存在します。
北海道から沖縄まで、それぞれの土地の歴史や文化を背景に、最適なシーズンが異なります。
相手への感謝の気持ちを正しく伝えるためには、贈り先の地域に合わせたタイミングで品物を配り届ける配慮が欠かせません。

ここでは、関東・関西以外の主な地域におけるお中元シーズンを一覧で紹介します。
相手の住所を確認し、適切な時期に贈るための参考にしてください。

北海道のお中元はいつから?7月中旬〜8月15日

北海道のお中元時期は、関西地方と同様に7月中旬から8月15日までとされています。
これは、北海道の多くの地域で月遅れのお盆(8月盆)が行われていることに由来します。
お盆の時期に合わせて先祖へのお供え物をする習慣がお中元のルーツの一つであるため、北海道の文化ではこの期間に贈答品を贈るのが一般的です。

関東の時期に合わせて7月初旬に贈っても問題はありませんが、北海道の習慣を尊重するなら、7月15日を過ぎてから8月15日までに届くように手配するのが望ましいです。
特に道内の相手に贈る際は、この時期を目安にすると良いでしょう。

東北・北陸地方のお中元時期は地域で異なる

東北地方と北陸地方は、お中元を贈る時期が地域や都市によって異なるため注意が必要です。
東北地方は、関東と同じく7月初旬から7月15日までが主流ですが、地域によっては関西式が混在することもあります。

一方、北陸地方はさらに細分化されています。
例えば、新潟県は関東と同じ7月初旬から15日までですが、富山県や石川県の金沢市などでは7月15日から8月15日と、関西と同じ時期に贈るのが一般的です。
さらに同じ石川県内でも、能登地方では7月1日から15日までと、地域によって習慣が異なります。
贈る相手の具体的な地域を確認することが重要になります。

東海・中国・四国地方のお中元時期:7月中旬〜8月15日

東海地方、中国地方、四国地方におけるお中元の時期は、多くが関西地方と同じく7月中旬から8月15日までとされています。
これらの地域も西日本に分類され、月遅れのお盆を行う文化が根付いているため、贈答の時期もそれに準じています。
したがって、これらの地方に住む方へお中元を贈る際は、8月15日までに届くように手配するのが一般的です。

ただし、東海地方の中でも都市部や、関東との交流が深い企業などでは、関東式に倣って7月15日までに贈るケースも見受けられます。
相手の習慣がわからない場合は、事前に確認するか、少し早めの7月中旬頃に届くようにすると無難です。

九州地方のお中元時期は8月1日〜15日が主流

九州地方のお中元時期は、他の地域よりもさらに遅い8月1日から8月15日が主流です。
これは、九州の多くの地域で月遅れのお盆の風習が色濃く残っているためで、お盆の準備を始める8月に入ってから贈答品をやり取りする文化が定着しています。

全国的な目安である7月上旬〜中旬に贈ると、時期が早すぎると感じられる可能性があります。
そのため、九州の相手へ贈る際は、8月1日から15日の期間に届くように手配するのが最も丁寧な対応です。
この地域独特の習慣を理解し、相手への心遣いを示すことが大切になります。

沖縄のお中元時期は旧盆に合わせて贈る

沖縄県のお中元は、他の都道府県とは異なり、旧暦の7月13日から15日に行われる「旧盆」の時期に合わせて贈るのが古くからの習わしです。
旧暦を基準にしているため、新暦の日付は毎年変動します。
一般的には8月中旬から9月上旬頃になることが多いです。
沖縄県の方へお中元を贈る際は、その年の旧盆がいつから始まるかを事前に確認することが不可欠です。

品物も、サーターアンダギーや昆布、食用油など、沖縄の旧盆のお供え物として使われるものが選ばれる傾向にあります。
地域の文化を尊重し、適切な時期と品物を選ぶことが、相手への敬意を示すことにつながります。

お中元の時期を過ぎてしまった場合の対応方法

お中元の準備が遅れてしまい、気づいた頃には時期を過ぎてしまったという場合でも、感謝の気持ちを伝える方法はあります。
お中元の時期を過ぎたら、贈り物の名目(表書き)を変えることで対応が可能です。
具体的には、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として贈ります。

贈る時期によってどちらの表書きを選ぶかが決まっているため、マナー違反にならないよう注意が必要です。
諦めてしまうのではなく、適切な形に改めて贈ることで、相手に丁寧な印象を与えることができます。

7月16日〜立秋(8月7日頃)までは「暑中見舞い」として贈る

関東地方などで一般的なお中元時期である7月15日を過ぎてしまった場合、立秋(8月7日頃)までは「暑中見舞い」として品物を贈ることができます。
暑中見舞いは、夏の暑さが厳しい時期に相手の健康を気遣う挨拶状や贈り物のことです。
本来は梅雨明け後の7月下旬頃から贈るのが一般的ですが、お中元を逃した場合の対応としても用いられます。

のしの表書きを「御中元」から「暑中御見舞」または「暑中御伺(目上の方の場合)」に変更して贈ります。
これにより、時期外れという印象を与えずに、感謝と気遣いの気持ちを伝えることが可能です。

立秋(8月7日頃)〜8月末までは「残暑見舞い」として贈る

立秋(8月7日頃)を過ぎてしまった場合は、「残暑見舞い」として贈るのがマナーです。
暦の上では立秋からが秋とされるため、「暑中」という言葉は使いません。
厳しい残暑が続く時期に、相手の体調を気遣う意味を込めて贈ります。

のしの表書きは「残暑御見舞」または「残暑御伺」とし、8月末までに相手に届くように手配するのが一般的です。
遅くとも処暑の候(8月23日頃〜9月7日頃)までには贈るのが望ましいとされています。
時期に合わせて表書きを適切に変えることで、季節の挨拶として自然に贈り物ができるようになります。

贈る時期で使い分ける「のし」の表書きマナー

お中元を贈る際には、品物に「のし(熨斗)紙」をかけるのが基本的なマナーです。
こののし紙の表書きは、贈る時期によって使い分ける必要があります。
時期に間に合えば「御中元」、過ぎてしまった場合は「暑中御見舞」や「残暑御見舞」と、適切な言葉を選びます。

暑中見舞いの違いだけでなく、残暑見舞いとの使い分けも重要です。
水引の種類や名前の書き方にも決まりがあり、これらを守ることで相手に敬意と感謝の気持ちを正しく伝えることができます。
ここでは、それぞれの時期に応じたのしの書き方について解説します。

お中元の時期に間に合う場合の「のし」の書き方

お中元の時期内に品物を贈る場合、のし紙の表書きは「御中元」または「お中元」とします。
水引は、何度繰り返しても良いお祝い事に使用される「紅白の蝶結び」を選びましょう。
水引の中央結び目の上に表書きを書き、その真下に贈り主の名前をフルネームで記載します。

名前は表書きよりも少し小さめの文字で書くのがバランスが良いとされています。
品物だけを送付するのではなく、日頃の感謝を綴った時候の挨拶を添えた挨拶状や送り状を同封すると、より一層丁寧な印象を与えられます。
のしのマナーを守った送付を心がけることが大切です。

暑中見舞いとして贈る場合の「のし」の書き方

お中元の時期を過ぎ、立秋(8月7日頃)までに贈る場合は、「暑中見舞い」としてのしを用意します。
水引は「紅白の蝶結び」を選び、表書きは「暑中御見舞」と記載するのが一般的です。
もし贈る相手が目上の方である場合は、「暑中御伺」とすると、より敬意のこもった丁寧な表現になります。

水引の下には、贈り主の名前をフルネームで書き入れます。
この際も、名前は表書きよりやや小さく書くのが基本です。
表書きを時期に合わせて変更することで、マナーを守りつつ相手を気遣う気持ちを伝えることが可能になります。

残暑見舞いとして贈る場合の「のし」の書き方

立秋(8月7日頃)を過ぎてから8月末頃までに贈る場合は、「残暑見舞い」として贈ります。
この時期に使用するのし紙も、水引は「紅白の蝶結び」です。
表書きには「残暑御見舞」と書きます。
相手が目上の方であれば、暑中見舞いと同様に「残暑御伺」とすると、より丁寧な印象になります。

水引の下に書く贈り主の名前のルールも変わりません。
フルネームで、表書きよりも少し小さな字で記載します。
季節の移り変わりに合わせて表書きを使い分けることは、相手への細やかな心遣いの表れであり、日本の贈答文化における大切なマナーの一つです。

いまさら聞けないお中元の基本マナーQ&A

お中元の時期やのしのマナー以外にも、いざ手配するとなると「誰に贈ればいいのか」「お返しは必要なのか」といった基本的な疑問が出てくるものです。
特に初めてお中元を贈る場合、戸惑うことも多いかもしれません。

最近では百貨店やネット通販でお中元商戦が活発化し、予約や注文、配達の手配も簡単になりましたが、基本的なマナーの知識は欠かせません。
ここでは、お中元の購入や送付にあたって多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で分かりやすく解説します。

Q1. お中元は誰に贈るのが一般的?

お中元を贈る相手に明確な決まりはありませんが、一般的には日頃お世話になっている目上の方へ贈るのが基本です。
具体的には、両親や義理の両親、親戚、仲人、会社の上司、恩師、習い事の先生などが挙げられます。
このほか、親しい友人や知人へ感謝の気持ちを伝えるために贈るのも良いでしょう。

ただし、会社や取引先へ贈る場合は、コンプライアンス上の理由で贈答品の受け取りを禁止していることがあるため、事前に確認が必要です。
また、公務員への贈答は法律で禁止されているため注意してください。
品物を渡す際は、直接手渡しするか配送で送付するか、相手との関係性や都合に合わせて選びます。

Q2. もらったお中元へのお返しは必要?

お中元は目下の人から目上の人へ感謝を伝える贈り物であるため、基本的にお返しは不要とされています。
ただし、品物を受け取ったら、できるだけ早く(3日以内を目安に)電話や手紙でお礼を伝えるのがマナーです。
特に、手書きの礼状を送ると感謝の気持ちがより深く伝わります。

もし友人や同僚などから受け取った場合や、どうしても返礼をしたい場合は、いただいた品物の半額から同程度の金額の品を「御礼」や「暑中見舞い」などの名目で贈ると良いでしょう。
自分が喪中の際にいただいた場合は、すぐにお礼状を出し、時期をずらして四十九日を過ぎてから品物を贈るのが一般的です。

Q3. お中元とお歳暮で贈る品物に違いはある?

お中元とお歳暮で贈る品物に厳密な決まりはありませんが、それぞれの季節感を反映したものが選ばれる傾向にあります。
お中元では、夏の暑い時期に喜ばれるそうめん、ゼリー、アイスクリーム、ビール、ジュースといった涼を感じさせる品物が人気です。
また、旬のフルーツである桃や、夏バテ防止になるうなぎなどもおすすめの品として挙げられます。

一方、お歳暮は年末に贈るため、お正月に家族で楽しめるハムやソーセージの詰め合わせ、鍋セット、カニなどが定番です。
両方を贈る場合は、一年間の感謝を締めくくるお歳暮の方を少し高価にするのが一般的な慣習とされています。

まとめ

お中元を贈る時期は、全国的な目安は7月上旬から15日ですが、地域によって「いつからいつまで」が大きく異なります。
特に関東と関西では1ヶ月もの違いがあるため、贈り先の地域に合わせるのが最も丁寧な対応です。

もし時期を逃してしまっても、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」としてのし紙の表書きを変えることで、失礼なく感謝の気持ちを伝えられます。
この記事で解説した地域ごとの時期やマナーを参考に、相手への心遣いを込めた素敵なお中元を贈ってみてください。

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