コラム

アールグレイとは?他の紅茶との違いや産地、おすすめメーカーを解説

2025.11.18

アールグレイは、柑橘系の爽やかな香りが特徴の紅茶です。
この記事では、アールグレイがどのような紅茶なのかを基本的な部分から説明します。

他の紅茶との違いや名前の由来、使われる茶葉の産地、さらには様々なメーカーごとの特徴にも触れながら、その奥深い魅力に迫ります。
自分好みの一杯を見つけるための参考にしてください。

アールグレイとは柑橘系の香りが特徴のフレーバーティー

アールグレイは、茶葉に香りを付けた「フレーバーティー」の一種です。
その名前には「グレイ伯爵」という意味があり、歴史的な背景を持っています。
最大の特徴は、ベルガモットという柑橘系の果実で付けられた、華やかで少しエキゾチックな香りです。

この独特の香りがアールグレイの味の核となり、多くの人々を魅了しています。
アールグレイはフレーバーティーの中でも特に世界中で親しまれている代表的な存在です。

アールグレイの香りの正体は柑橘系の果実「ベルガモット」

アールグレイの独特な香りの元は、「ベルガモット」というミカン科の柑橘類です。
この果実の皮から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を茶葉に吹き付けたり混ぜたりして、香り付けを行います。
ベルガモットの香りは上品で爽やかですが、人によっては香水のように強く感じられることもあります。

そのため、この香りに少しクセがあると感じて苦手意識を持つ人もいます。
しかし、この個性的な香りこそがアールグレイの最大の魅力であり、リラックスしたい時や気分をリフレッシュしたい時に適しています。

ベースとなる茶葉に決まりはなくメーカーによって様々

アールグレイには、香り付けの元となるベースの茶葉に特定の決まりがありません。
そのため、各メーカーが独自に選んだ茶葉を使用しており、その組み合わせによって味わいが大きく異なります。
中国の「キームン」をベースに使うのが伝統的とされる一方、スリランカの「セイロンティー」やインドの「ダージリン」、力強い味わいの「ウバ」などが使われることもあります。

複数の産地の茶葉をミックスして、香りとのバランスを整えたオリジナルブレンドも多く存在します。
この茶葉の選択肢の広さが、アールグレイの多様な個性を生み出しています。

「グレイ伯爵」に由来するアールグレイの名前の歴史

アールグレイという名前の由来は、19世紀に英国の首相を務めた第二代グレイ伯爵、チャールズ・グレイ氏にちなんでいます。
名前の由来には諸説ありますが、グレイ伯爵が中国から贈られたベルガモットで香り付けされたお茶を気に入り、お茶屋に同じものを作らせたという逸話が有名です。
また、硬水の多い英国の水でも美味しく飲めるように、ベルガモットで香り付けをしたという説もあります。

いずれにしても、この紅茶が英国貴族に愛されたことが、その後の普及につながったと考えられています。
このように、アールグレイは特定の国や人物と深い関わりを持つ歴史ある紅茶です。

アールグレイと他の代表的な紅茶との違い

アールグレイが茶葉に香りを付けた「フレーバーティー」であるのに対し、他の多くの紅茶は茶葉の産地や種類そのものが名前になっています。
この違いを理解することで、紅茶選びの幅が広がります。
例えば、ダージリンやセイロンといった紅茶と比較すると、アールグレイと他の紅茶との分類の仕方が根本的に異なることがわかります。

ここでは代表的な紅茶を取り上げ、その特徴を比較します。

ダージリンは茶葉そのものの香りや味を楽しむ紅茶

ダージリンは、インドのダージリン地方で収穫される茶葉のことで、「紅茶のシャンパン」とも呼ばれる世界三大紅茶の一つです。
最大の特徴は、マスカットのようなフルーティーで繊細な風味にあります。
この茶葉が持つ香りや味をそのまま楽しむため、基本的に人工的な香り付けは行いません。

収穫時期である旬によって「ファーストフラッシュ(春摘み)」「セカンドフラッシュ(夏摘み)」などと呼ばれ、それぞれ異なる味わいを持つ点も魅力です。
香り付けによって個性を出すアールグレイとは対照的に、ダージリンは茶葉本来の個性を楽しむ紅茶といえます。

セイロンやキームンは茶葉の産地名が由来の紅茶

セイロンティーやキームンは、茶葉が生産された地域の名前がそのまま紅茶の名称になっています。
セイロンティーはスリランカ(旧国名セイロン)で生産される紅茶の総称であり、産地の標高によって味わいが異なる多様性を持っています。

一方、キームンは中国の安徽省祁門県周辺で作られる紅茶で、スモーキーな香りが特徴です。
これらは特定の産地で栽培された茶葉そのものを指すのに対し、アールグレイは産地を問わず、ベルガモットで香り付けされた紅茶のスタイルを指す言葉です。
ベース茶葉にセイロンやキームンが使われることもあります。

アールグレイの魅力を引き出すおすすめの飲み方

アールグレイはその特徴的な香りを活かして、様々な飲み方が楽しめる紅茶です。
ストレートで繊細な香りを楽しむのはもちろん、アレンジを加えることで新たな魅力を発見できます。
その日の気分やシーンに合わせて、おいしい飲み方を選んでみましょう。

夜のリラックスタイムに温かいミルクティーを楽しんだり、お菓子と一緒に食べる際のペアリングを考えたりと、使い方の幅は非常に広いです。

まずは香りを楽しむストレートティーで

アールグレイの魅力を最もシンプルに味わうなら、まずはストレートティーがおすすめです。
特にホットで淹れると、湯気と共にベルガモットの華やかな香りが立ち上り、リラックス効果を高めてくれます。
茶葉本来の味とベルガモットの香りの絶妙なバランスをじっくりと感じ取ることができるでしょう。

砂糖やミルクを加えないことで、メーカーごとのベース茶葉の違いや香りの強弱といった、繊細な個性を明確に感じられます。
アールグレイ本来の風味を確かめるための基本の飲み方です。

爽快感が際立つアイスティーもおすすめ

アールグレイの爽やかな香りは、冷やすことで一層際立ち、すっきりとした飲み口のアイスティーとして楽しむのに最適です。
特に暑い季節には、その爽快感が気分をリフレッシュさせてくれます。
作り方は、濃いめに抽出したホットティーを氷で急冷するのが一般的です。

また、抽出した紅茶液は飲むだけでなく、シロップを加えてゼリーにしたり、焼き菓子の香り付けに使ったりする活用法もあります。
ケーキやホットケーキ、ワッフル、ヨーグルトなどにかけるソースとしてアレンジするのも良いでしょう。

濃厚な味わいを楽しめるミルクティー

アールグレイはミルクとの相性も非常に良く、ミルクティーにするとベルガモットの香りがまろやかになり、コク深い濃厚な味わいに変化します。
特に、ベースの茶葉がしっかりとした風味を持つアッサムやセイロンなどを使ったアールグレイは、ミルクに負けないためミルクティーに適しています。

好みで砂糖を加えると、より一層デザートのような満足感を得られます。
茶葉を牛乳で直接煮出すロイヤルミルクティーにすれば、さらに贅沢な一杯を楽しむことが可能です。

メーカーごとの特徴を知って自分好みのアールグレイを見つけよう

アールグレイは世界中の多くのメーカーから販売されており、それぞれに個性があります。
ベースとなる茶葉の種類やブレンド、ベルガモットの香りの強さなどが異なるため、同じアールグレイという名前でも味わいは千差万別です。

有名ブランドや人気が高い商品は、多くの人に受け入れられるバランスの取れた味わいのものが多い傾向にあります。
様々なメーカーの商品を試して、自分の好みに合った一杯を探すのも、アールグレイの楽しみ方の一つです。

まとめ

アールグレイは、ベルガモットという柑橘系の果実で香り付けされたフレーバーティーの一種です。
ベースとなる茶葉に決まりがないため、メーカーによってブレンドが異なり、多彩な味わいを楽しめるのが大きな魅力です。
ストレートで香りを楽しむのはもちろん、アイスティーやミルクティーにしてもおいしく、お菓子作りにも活用できます。

これまでアールグレイに対して特定のイメージを持っていたとしても、実際には非常にバリエーション豊かな紅茶です。
この記事を参考に、ぜひ自分好みのアールグレイを見つけて、その奥深い世界を楽しんでみてください。

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