
玄米茶は、炒った玄米の香ばしさと緑茶のさっぱりとした味わいが特徴のお茶です。
リラックス効果や生活習慣病の予防といった様々な効能が期待されており、健康や美容に関心がある方から注目されています。
この記事では、玄米茶が持つ効果やダイエットにおけるメリット・デメリットを詳しく解説します。
また、玄米茶の栄養成分や特徴、香りを最大限に引き出す美味しい淹れ方も紹介するので、日々の生活に取り入れる際の参考にしてください。
目次
玄米茶はどんなお茶?主な特徴と成分を解説
玄米茶は、水に浸して蒸した玄米を炒ったものと、番茶や煎茶などの緑茶をほぼ同量でブレンドしたお茶です。ほうじ茶や麦茶と同じく香ばしさが特徴ですが、玄米茶は緑茶をベースにしているため、独特のすっきりとした風味も楽しめます。製品によっては抹茶を加えたものもあります。お茶を淹れた後に残る玄米は、お茶漬けの具にするなど、食用として利用できます。
玄米茶には、カフェインやカテキンなどが含まれています。
炒り玄米の香ばしさと緑茶のさっぱりとした味わい
玄米茶の最大の魅力は、炒り玄米が持つ特有の香ばしい香りと、ベースとなる緑茶の爽やかな味わいが調和した点にあります。
この独特の風味は、玄米を炒る工程で生まれる「ピラジン」という香り成分によるものです。
リラックスしたい時や気分転換したい時に、この香りを好む人も少なくありません。
玄米と茶葉の割合によっても風味は変化し、玄米が多ければ香ばしさが際立ち、茶葉が多ければ緑茶のすっきりとした渋みや旨味を強く感じられます。
様々な商品があるため、自分の好みに合った割合の玄米茶を探すのも楽しみ方の一つです。
玄米茶に含まれる代表的な栄養成分
玄米茶が体に良いとされるのは、玄米と緑茶の両方に由来する多様な栄養成分を含んでいるためです。
玄米からは、血圧上昇抑制効果が期待されるGABAや、エネルギー代謝を助けるビタミンB群、抗酸化作用を持つビタミンEなどが摂取できます。
一方、緑茶からは、強い抗酸化作用で知られるカテキンや、リラックス効果をもたらすテアニンなどが含まれます。
これらの成分が複合的に作用することで、様々な健康効果が期待されています。
また、糖はほとんど含んでおらず、日常的な水分補給にも適しています。
玄米茶に期待できる嬉しい効果・効能
玄米茶を飲むことで、心身に嬉しい様々な効果や効能が期待できます。
これは、玄米由来のGABAやビタミン、緑茶由来のカテキンやテアニンといった成分の作用によるものです。
リラックス効果や生活習慣病の予防、美肌サポート、腸内環境の改善など、その働きは多岐にわたります。
毎日玄米茶を飲む習慣をつけることで、これらの健康効果を得やすくなるでしょう。
カフェインが比較的少ないため、幅広い時間帯で楽しみやすいのも特徴です。
テアニンがもたらす心身のリラックス効果
玄米茶のベースとなる緑茶には、アミノ酸の一種である「テアニン」が含まれています。
テアニンは、脳内でリラックス状態を示すα波を増加させる働きがあることで知られています。
この作用により、心身の緊張が和らぎ、穏やかな気持ちへと導いてくれる効果が期待されます。
仕事や勉強の合間の休憩時間や、一日の終わりにほっと一息つきたい時に飲むと、気分転換の手助けとなるでしょう。
また、就寝前に温かい玄米茶を飲むことで、心身が落ち着き、質の良い睡眠の導入をサポートする可能性もあります。

カテキンによる生活習慣病の予防
緑茶の渋み成分である「カテキン」は、ポリフェノールの一種であり、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。
この抗酸化作用により、体内で過剰に発生した活性酸素の働きを抑制し、細胞の酸化を防ぎます。
特に、血中の悪玉コレステロールの酸化を抑える働きは、動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞といった生活習慣病の予防に役立つと期待されています。
また、カテキンには体脂肪を減少させる効果や、血糖値の上昇を緩やかにする効果も報告されており、健康維持に多角的に貢献する成分です。
食物繊維がサポートする腸内環境の改善
玄米茶に含まれる玄米は、精白米に比べて食物繊維を豊富に含んでいます。
お茶として抽出される量は限られますが、日常的に飲むことで食物繊維の摂取を補うことができます。
食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きをします。
また、腸のぜん動運動を活発にして便通を促すため、便秘の改善にも効果が期待されます。
腸内環境が整うことは、栄養素の吸収効率を高めるだけでなく、免疫機能の維持や肌の健康にも良い影響を与えるため、すっきりとした毎日を送るためのサポートとなります。
ビタミン類がもたらす美肌効果
玄米茶には、肌の健康維持に役立つビタミン類も含まれています。
特に、玄米に含まれるビタミンEや緑茶に含まれるビタミンCは、美肌を目指す上で重要な成分です。
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、細胞の酸化を防ぐことで肌の老化を遅らせる「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
一方、ビタミンCは、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑制する働きや、肌のハリを保つコラーゲンの生成を助ける働きがあります。
これらのビタミンを手軽に摂取できる玄米茶は、内側から美しさを育みたい人におすすめの飲み物です。
GABAによる血圧上昇の抑制作用
玄米に含まれる特有の成分として「GABA(ギャバ)」が挙げられます。
GABAはアミノ酸の一種で、主に脳や脊髄で抑制系の神経伝達物質として機能します。
このGABAには、交感神経の働きを抑えて末梢血管の収縮を緩め、血圧の上昇を穏やかにする作用があることが報告されています。
高めの血圧が気になる方にとって、日々の飲み物を玄米茶に変えることは、手軽に始められる健康管理の一つです。
リラックス効果もあるため、ストレスを感じやすい現代人にとって、心身の両面から健康をサポートしてくれる成分といえます。
ダイエット中に玄米茶を飲むメリット
ダイエット中に玄米茶を取り入れることには多くのメリットがあります。
まず玄米茶自体はほとんどカロリーがなく糖質も含まれていないため水分補給として安心して飲むことが可能です。
さらに玄米茶に含まれるカテキンやビタミンB群が脂肪の燃焼を助け食物繊維が食後の血糖値上昇を穏やかにするなどダイエットをサポートする複数の働きが期待されます。
食事と一緒にあるいは運動の前後など適切なタイミングで飲むことでその効果を高めることができます。
基礎代謝をサポートし脂肪の燃焼を助ける
玄米茶にはダイエットを後押しする成分が含まれています。
緑茶由来のカテキンには、エネルギー消費量を増加させ、脂肪の燃焼を促進する作用が報告されています。
運動と組み合わせることで、より効率的に体脂肪を減らす手助けとなるでしょう。
また、玄米由来のビタミンB群は、食事から摂取した糖質や脂質をエネルギーに変える際の補酵素として機能します。
これらの栄養素が不足すると代謝が滞りやすくなるため、玄米茶で補うことは基礎代謝を維持し、痩せやすい体作りをサポートすることにつながります。
食後の血糖値の急上昇を穏やかにする
玄米茶に含まれる食物繊維は、食後の血糖値コントロールに役立ちます。
食事で摂取した糖質は、消化吸収される過程で血糖値を上昇させますが、食物繊維には糖の吸収を緩やかにする働きがあります。
これにより、血糖値の急激な上昇が抑えられます。
血糖値が急上昇すると、それを下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されますが、インスリンには余った糖を脂肪として蓄える働きもあるため、過剰な分泌は肥満の原因となります。
食事と一緒に玄米茶を飲むことで、血糖値の乱高下を防ぎ、脂肪の蓄積を抑制する効果が期待されます。
玄米茶は体に悪い?飲む前に知っておきたいデメリット
多くの健康効果が期待できる玄米茶ですが、飲む際にはいくつかの注意点があります。
基本的には安全な飲み物で、大きな副作用の心配は少ないですが、体質や飲む量によっては体に合わない可能性も考えられます。
特に、カフェインの含有や、胃腸への刺激については事前に理解しておくことが大切です。
これらのデメリットを知り、自分の体調に合わせて適量を守ることで、玄米茶のメリットを安心して享受できるようになります。
カフェインが含まれているため摂取量に注意が必要
玄米茶は、ベースに緑茶を使用しているためカフェインを含んでいます。
玄米がブレンドされている分、煎茶や玉露などの他の緑茶に比べるとカフェインの含有量は少ない傾向にありますが、ゼロではありません。
そのため、カフェインに敏感な方、妊娠中や授乳中の方、小さなお子様は1日の摂取量に注意が必要です。
特に夜、就寝前に大量に飲むと、カフェインの覚醒作用によって寝つきが悪くなる可能性も考えられます。
一日に飲む量を調整したり、飲む時間帯を工夫したりするなどの配慮をすると良いでしょう。
胃腸がデリケートな人は飲み過ぎに気をつける
玄米茶に含まれるカフェインには胃酸の分泌を促す作用があるとされています。そのため、胃腸がデリケートな人や空腹時に大量に飲むと、胃に不快感を覚えたり、胃が痛くなったりすることがあります。特に濃く淹れた玄米茶は、胃への刺激が強くなる傾向です。
もし緑茶系の渋みが苦手な場合や、飲んだ後に胃の調子が悪くなるようなら、一度に飲む量を減らしたり、薄めに淹れたりして様子を見るのがおすすめです。自分の体調と相談しながら、適量を楽しむことが重要です。

香り豊か!玄米茶の魅力を引き出す淹れ方のコツ
玄米茶の最大の魅力である香ばしい香りを存分に楽しむためには、淹れ方に少しこだわるのがおすすめです。
難しい作法は必要なく、お湯の温度と抽出時間という2つのポイントを押さえるだけで、普段飲んでいる玄米茶の風味が格段に良くなります。
このコツを知れば、自宅で手軽に本格的な味わいを再現できます。
また、暑い季節にはすっきりとした冷茶として楽しむ方法もあり、一年を通してその魅力を味わうことが可能です。
沸騰した熱いお湯で淹れるのがポイント
玄米茶の香りを最大限に引き出すための最も重要なコツは、沸騰したての熱いお湯(95〜100℃)を使用することです。
ぬるめのお湯で淹れると旨味成分が出やすい玉露や上級煎茶とは異なり、玄米茶の香ばしい香りのもとである「ピラジン」という成分は、高温で抽出されやすい性質を持っています。
熱湯を注ぐことで、炒り玄米の香りが一気に立ち上り、豊かなアロマを楽しめます。
また、緑茶のさっぱりとした渋みや風味も同時に引き出され、味と香りのバランスが取れた美味しい一杯に仕上がります。
抽出時間は30秒程度で手早く
美味しい玄米茶を淹れるには、抽出時間も重要な要素です。
熱湯を急須に注いだら、長く置きすぎず、30秒程度を目安に手早く湯呑みに注ぎ切りましょう。
抽出時間が長すぎると、緑茶の渋みや苦み成分であるタンニンが過剰に溶け出し、せっかくの玄米の香ばしさを覆い隠してしまいます。
短時間でさっと抽出することで、雑味が出るのを防ぎ、玄米の香ばしさを際立たせながら、緑茶のすっきりとした後味を両立させることが可能です。
最後の一滴まで注ぎ切ることで、二煎目も美味しくいただけます。
まとめ
玄米茶は、炒り玄米の香ばしさと緑茶の風味が調和したお茶であり、GABAやカテキン、ビタミン類といった多様な栄養成分を含んでいます。
これらの成分により、心身のリラックス効果、生活習慣病の予防、美肌や腸内環境の改善、さらにはダイエットのサポートなど、多岐にわたる効能が期待されます。
一方で、カフェインを含むため、飲む量や時間帯には配慮が必要です。
玄米茶の魅力を最大限に引き出すには、沸騰した熱湯を使い、30秒ほどで手早く淹れるのがコツです。
これらの特徴を理解し、日々の生活にうまく取り入れることで、健康維持に役立てることができます。







