コラム

新盆(初盆)とは?読み方や時期、準備、マナーを解説|初めてのお盆

2026.8.7

故人が亡くなってから初めて迎えるお盆は「新盆(にいぼん・あらぼん)」または「初盆(はつぼん)」と呼ばれ、通常のお盆よりも丁寧に行うのが一般的です。
新盆とは具体的にいつのことなのか、通常のお盆とは何が違うのか、そして何から準備を始めれば良いのか、戸惑う方も少なくありません。
この記事では、新盆の読み方や時期の確認方法から、施主と参列者それぞれの準備、当日の流れ、宗派による違いまで、初めてのお盆を迎えるために必要な情報を網羅的に解説します。

新盆(初盆)とは?故人が亡くなってから初めて迎える特別なお盆

新盆とは、故人が亡くなり、四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆のことを指します。
故人の霊が初めて自宅に帰ってくると考えられているため、家族や親族だけでなく、故人と親しかった方々を招いて法要を営み、手厚く供養するのが習わしです。
そのため、通常は家族のみで静かに過ごすお盆とは異なり、新盆を迎える家では僧侶の手配や飾り付けなど、特別な準備が必要になります。

大切な故人を温かくお迎えするための、一度きりの重要なお盆です。

新盆の読み方と初盆との意味の違い

「新盆」の一般的な読み方は「にいぼん」ですが、地域によっては「しんぼん」や「あらぼん」とも呼ばれます。
また、同じ意味で「初盆(はつぼん)」という言葉も広く使われており、特に関西地方ではこちらが主流です。
まれに「ういぼん」と読むこともあります。

どの言葉も「故人が亡くなって初めて迎えるお盆」を指すことに変わりはなく、呼び方が違うだけで意味は同じです。
地域や家庭の慣習に合わせて使い分けるとよいでしょう。

通常のお盆と何が違うの?準備や法要の有無を比較

新盆と通常のお盆との最も大きな違いは、法要の有無です。
通常のお盆は家族や近親者のみで故人を偲ぶことが多いのに対し、新盆では僧侶を招いて読経してもらい、親族や友人も参列する比較的規模の大きい法要を営むのが一般的です。
また、準備においても違いがあります。
新盆では、初めて帰ってくる故人の霊が迷わないための目印として、絵柄のない「白提灯」を特別に用意します。

この白提灯は新盆の年にしか使わないものです。

今年が新盆?時期を確認する方法と四十九日との関係

その年に迎えるお盆が新盆に当たるかどうかは、故人が亡くなった日と四十九日の忌明けの時期によって決まります。
仏教では、故人の霊は四十九日を過ぎてから初めてお盆に帰ってくると考えられています。

そのため、お盆の時期よりも前に亡くなった場合でも、四十九日の法要が終わる前にお盆が来てしまう場合は、その年ではなく翌年のお盆が新盆となります。
例えば、8月盆の地域で7月1日に亡くなった場合、四十九日が終わっていないため、新盆は翌年の8月になります。

新盆の時期はいつ?7月盆と8月盆の地域による違い

お盆の時期は、全国一律ではなく地域によって異なります。
主な時期は、新暦の7月13日〜16日に行われる「7月盆(新盆)」と、月遅れの8月13日〜16日に行われる「8月盆(旧盆)」の2つです。
7月盆は東京都や神奈川県、静岡県の一部などで行われ、8月盆はその他のほとんどの地域で採用されています。

どちらの時期に行うかによって準備を始めるタイミングも変わるため、まず自身の地域のお盆がいつなのかを確認することが大切です。

【新盆の準備リスト】いつから何をする?施主(遺族)のやることチェック

新盆は通常のお盆よりも準備することが多いため、早めに計画を立てて進めることが大切です。
法要を営む場合は、僧侶や親族との日程調整から始まり、案内状の送付、会食や返礼品の手配、お盆飾りやお供え物の用意など、多岐にわたります。
直前になって慌てないよう、遅くともお盆の2〜3ヶ月前からは準備に取り掛かることをおすすめします。

ここでは、施主がやるべきことを順を追って確認していきましょう。

①法要の依頼と日程調整|僧侶や親族への連絡

新盆の準備で最も早く着手すべきなのが、法要の日程調整です。
まず、お世話になっている菩提寺の僧侶に連絡を取り、読経の依頼をします。
お盆の時期は僧侶にとって繁忙期であるため、希望の日時を押さえるためにも、2〜3ヶ月前には相談するのが望ましいです。

僧侶の都合を確認し、法要の日程が確定したら、次にお呼びしたい親族や故人の友人・知人へ連絡し、早めに日程を知らせて出欠の確認を取りましょう。

②案内状の送付と会食・返礼品の手配

法要の日時と場所が確定したら、参列をお願いする方々へ正式な案内状を送付します。
電話での連絡で済ませることも可能ですが、日時や場所などの詳細を正確に伝えるためにも、案内状を送るのが丁寧です。
案内状には、出欠の返信期日も忘れずに記載しましょう。

参列者の人数がある程度固まったら、法要後の会食(お斎)の会場や仕出し弁当、そして参列者へのお返しとなる返礼品の手配を進めます。

③お盆飾りの準備|新盆特有の白提灯を用意する

新盆では、通常のお盆の飾りに加えて、新盆特有の白提灯を用意します。
これは、初めて家に帰ってくる故人の霊が迷わないようにするための目印として飾るものです。
玄関や窓辺、仏壇の前など、外から見える場所に吊るします。

この白提灯は新盆の一度きりしか使用しないのが慣例です。
その他、ご先祖様の霊をお迎えするための祭壇である精霊棚や、きゅうりやなすで作る精霊馬なども準備します。

④お供え物の用意|五供や故人が好きだったもの

お盆のお供え物は、仏教の基本である「五供」を意識して用意します。
五供とは、「香」「花」「灯明」「浄水」「飲食」の5つです。
お盆の間はこれらを絶やさないように心がけます。

飲食としては、そうめん、団子、季節の果物や野菜などが一般的です。
これらに加えて、故人が生前好きだった食べ物やお菓子、飲み物などをお供えすると、心のこもった供養になります。

⑤お布施の準備|金額の相場と失礼のない渡し方

法要で読経していただく僧侶へのお礼として、お布施を準備します。
新盆法要のお布施の金額相場は、3万円~5万円程度が一般的です。
もし僧侶に自宅までお越しいただく場合は、これとは別に「御車代」として5千円~1万円、法要後の会食に僧侶が参加されない場合は「御膳料」として5千円~1万円を包みます。

お金は奉書紙に包むか、無地の白い封筒に入れ、表書きは「御布施」とします。
渡す際は、直接手渡しせず、切手盆に乗せて差し出すのが丁寧な作法です。

新盆期間中の過ごし方|迎え火から送り火までの具体的な流れ

お盆の期間は一般的に13日から16日までの4日間とされ、それぞれに行うべき慣わしがあります。
13日に「迎え火」でご先祖様や故人の霊をお迎えし、14日・15日の中日を共に過ごし、16日に「送り火」であの世へお見送りするというのが一連の流れです。

特に新盆では、故人が初めて帰ってくる大切な期間であるため、それぞれの行事を丁寧に行いたいものです。
ここでは、期間中の具体的な過ごし方を解説します。
火の取り扱いには十分に注意しましょう。

【13日:迎え盆】お墓参りと迎え火でご先祖様をお迎えする

お盆初日の13日は「迎え盆」です。
この日の午前中に家族でお墓参りに行き、お墓をきれいに掃除して、ご先祖様をお迎えする準備が整ったことを報告します。
そして夕方になったら、家の玄関先や門口で「迎え火」を焚きます。

迎え火は、ご先祖様の霊が迷わずに家に帰ってこられるようにするための目印となる火です。
焙烙という素焼きの皿の上で、麻の茎である苧殻を燃やすのが伝統的な方法です。

【14日・15日:中日】法要を執り行い、家族で静かに過ごす

お盆の中日にあたる14日や15日は、ご先祖様や故人の霊が家に滞在している期間とされています。
新盆の場合は、この期間中に親族や知人を招いて法要を営むことが多く、僧侶による読経の後、会食の席を設けて故人の思い出を語り合います。
法要を営まない時間帯は、お供え物を絶やさないようにしながら、家族で静かに過ごすのが一般的です。

故人と共に過ごす穏やかな時間を大切にしましょう。

【16日:送り盆】送り火を焚いてご先祖様をお見送りする

お盆最終日の16日は「送り盆」と呼ばれ、お迎えしたご先祖様の霊を再びあの世へお見送りする日です。
夕方になったら、迎え火を焚いたのと同じ場所で「送り火」を焚きます。
これは、霊が帰るべき道を照らすための火です。

京都の「五山送り火」も、この送り火の一種として有名です。
この火をもって一連のお盆行事は終わりとなります。
故人への感謝の気持ちを込めて、丁寧にお見送りしましょう。

お盆明けの片付け方|白提灯やお供え物の処分方法

お盆が終わったら、精霊棚やお飾りを片付けます。
新盆のために用意した白提灯は、故人の霊と共に穢れも吸い取っていると考えられているため、一度きりで処分するのが習わしです。
菩提寺でお焚き上げをしてもらうのが最も丁寧な方法ですが、難しい場合は塩で清めてから白い紙に包み、自治体の分別ルールに従って処分します。

精霊馬やお供えした食べ物は、ご先祖様からの福をいただくという意味で、家族で分けて食べるのが良い供養とされています。

【参列者向け】新盆に招かれた際の服装・香典マナー

新盆の法要に参列する際は、遺族に対して失礼のないよう、服装や香典のマナーをしっかりと押さえておくことが大切です。
特に服装については、案内状に記載があればそれに従い、なければ一般的な弔事のマナーに準じます。
また、香典として包むお金の金額や、香典袋の表書きにも決まりがあります。

ここでは、参列者として法要に招かれた際に知っておくべき基本的なマナーについて、具体的に解説します。

参列するときの服装は?喪服か平服かの判断基準

新盆法要に参列する際の服装は、案内状に記載されている指示に従うのが大前提です。
「平服で」と指定がある場合は、略喪服を着用します。
男性はダークスーツに黒のネクタイ、シャツは白を選びます。

女性は黒や紺、グレーといった地味な色のワンピースやアンサンブルが適切です。
特に服装の指定がない場合や、親族として参列する場合は、準喪服を着用するのが一般的です。
いずれの場合も、殺生を連想させる革製品や、光沢のあるアクセサリーは避けましょう。

香典(新盆見舞い)の金額相場を故人との関係性別に解説

新盆の法要に持参する香典は「新盆見舞い」とも呼ばれ、その金額は故人との関係性によって変わります。
一般的に、親の場合は1万円~3万円、兄弟姉妹や祖父母は1万円前後、その他の親族や友人・知人であれば3千円~1万円程度が相場とされています。
法要後の会食にも参加する場合は、食事代として相場に5千円~1万円ほど上乗せして包むのがマナーです。

お金を包む際は、不幸が重なることを連想させないよう、新札は避けるのが望ましいです。

香典袋の表書きの書き方|「御仏前」「御供物料」の使い分け

新盆の香典袋の表書きは、仏教のほとんどの宗派で「御仏前」とするのが一般的です。
故人は四十九日を過ぎて仏様になっていると考えられるため、「御霊前」は使いません。
もし宗派がわからない場合や、どの言葉を使えば良いか迷う場合は「御供物料」と書けば間違いありません。

また、提灯を贈る代わりにお金を包む場合は「御提灯代」とすることもあります。
水引の下には、薄墨ではなく濃い墨の筆ペンで自分のフルネームを書き記します。

お供え物を持参する場合の品物の選び方と渡し方

香典とは別に品物を持参する場合は、日持ちのする個包装のお菓子や、季節の果物、ジュースの詰め合わせなどがよく選ばれます。故人が生前好きだったものであれば、より心のこもったお供えとなるでしょう。

ただし、殺生を連想させる肉や魚、香りの強い花や食べ物は避けるのがマナーです。品物には「御供」と書いた掛け紙をかけ、施主に渡す際には「お供えください」と一言添えて手渡すのが一般的です。

【宗派による違い】浄土真宗には新盆を特別に行う習慣がない?

仏教の宗派の中でも、浄土真宗では他の宗派と死生観が大きく異なります。
浄土真宗では、亡くなった人は阿弥陀如来の力によってすぐに極楽浄土へ往生し、成仏すると考えられています。
そのため、故人の霊が特定の時期に家に帰ってくるという概念がなく、新盆や初盆を特別に営む習慣はありません。

迎え火や送り火を焚いたり、精霊棚を飾ったりすることもないのが特徴です。
ただし、故人を偲び、仏様の教えに改めて触れる大切な機会として、家族で集まって法話を聞く「歓喜会(かんぎえ)」と呼ばれる法要を行うことはあります。

新盆(初盆)に関するよくある質問

新盆の準備や過ごし方について、基本的なことは理解できても、細かい点で疑問が残ることもあります。
ここでは、新盆に関して特に多く寄せられる質問と、それに対する回答をQ&A形式でまとめました。

Q. 新盆の読み方は「にいぼん」以外にもありますか?

はい、「にいぼん」の他に「しんぼん」や「あらぼん」という読み方があります。
また、西日本を中心に「初盆(はつぼん)」と呼ぶ地域も多く見られます。
どの読み方や言葉も、故人が亡くなって四十九日後に初めて迎えるお盆を指すもので、意味に違いはありません。

Q. 四十九日が終わる前にお盆が来た場合、新盆はいつになりますか?

故人が亡くなってから四十九日の忌明けが済む前にお盆の時期が来た場合、その年の新盆は行いません。
新盆は翌年のお盆となります。
これは、故人の霊は四十九日を過ぎて初めてこの世に帰ってくると考えられているためです。

日程の判断に迷う場合は、菩提寺に確認するとよいでしょう。

Q. 新盆のお返し(返礼品)は必ず用意すべきですか?

必ず用意が必要というわけではありませんが、新盆の法要で香典やお供え物をいただいた場合、感謝の気持ちとしてお返しをするのが一般的です。
いただいた金額の3分の1から半分程度の品物を用意します。
当日お渡しするか、後日お礼状を添えて郵送します。

まとめ

新盆(初盆)は、故人の霊が初めて家に帰ってくる、年に一度の特別な機会です。
通常のお盆とは異なり、親族や故人と縁の深い方々を招いて手厚い法要を営むため、事前の準備が欠かせません。
施主は僧侶や参列者への連絡を早めに行い、新盆特有の白提灯やお供え物の手配を計画的に進める必要があります。

また、参列者も服装や香典のマナーを心得て、遺族に失礼のないよう配慮することが求められます。
地域や宗派による違いもありますので、事前に確認し、心静かに故人を偲ぶ新盆を迎えましょう。

戻る